2020年11月13日。「社会福祉法人グロー」(滋賀県近江八幡市)および「社会福祉法人愛成会」(東京都中野区)の幹部職員・元職員が、グロー理事長で愛成会元理事でもある北岡賢剛氏とグローに対し、長年の性暴力やパワーハラスメントについての法的責任と損害賠償を求めて東京地裁に提訴しました。
私たち「愛成会とグローの性暴力とパワハラ被害者を支える会」は、恐怖と屈辱を抱えながら訴えを起こした幹部職員・元職員の皆さんを支えるために集まった有志の会です。被害を訴え出た方たちが、深く傷つけられた尊厳を回復していけるよう、また訴え出たことによる二次被害などによるさらなる傷付きがもたらされないようサポートしていきます。
社会福祉は、「人権」や「尊厳」を重んじる、専門性の高い分野です。しかし、利用者には福祉的なケアを提供する一方で、そこで働く人たちの現場では人権や尊厳を傷つける性暴力やパワーハラスメントが横行しているという深刻な問題があります。
「善良で慈愛に満ちた」といった印象を持たれやすい社会福祉の現場では、「献身的に尽くすことこそ美徳」という独自の意識が醸成され、職員たちも自己犠牲を強いられることがしばしばあります。それが上位職から下位職への力関係を強化し、ハラスメントを生みだす土壌となるとともに、被害者が声をあげられないような環境を作り出しているのです。
言うまでもなく、法人運営者は現代にふさわしい人権意識と倫理観で法人運営をするべきです。もちろん、法人運営者自身が、その権力を利用し自らの性欲や支配欲を働く人たちに向けることは到底許されることではありません。
今回、被害を訴え出た方たちは「ただふつうに働きたかった」と言います。
職場での性暴力やハラスメント行為は、人の尊厳を奪い、「ふつうに働く」ことを困難にさせる重大な暴力行為です。多くの場合は女性がその被害者となり、身体的・精神的に大きな傷を負って、解決のために多大な労力と時間を費やすことを強いられてしまいます。性暴力やハラスメントを軽視し、ときに容認・黙認する日本の男性文化が、人権や尊厳を重んじる社会福祉業界ですら深く根付いているのが現状なのです。
この社会の価値観が良い方向に更新され、社会福祉の現場に限らず、すべての人が職場で性暴力やハラスメントの被害に遭わずに、安心して仕事ができる社会を強く望みます。
当会の活動はこちらのSNSでも随時情報発信しています。
ぜひこの裁判について多くの方に知っていただき、職場での性暴力やハラスメントの問題を考えていただきたいです。
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「#ただふつうに働きたかった」 日本の社会福祉を牽引してきた社会福祉法人役員による性暴力とパワハラ被害を受けて、提訴しました。 「愛成会」と「グロー」の性暴力とハラスメント被害者を支える会
2020.12.14 Mon
カテゴリー:マイアクション
タグ:DV・性暴力・ハラスメント / DV