女の本屋

views

1668

『文化を転位させる--アイデンティティ・伝統・第三世界フェミニズム』ウマ・ナーラーヤン

2010.12.22 Wed

アマゾンのサーバでエラーが起こっているかもしれません。一度ページを再読み込みしてみてください. インド出身で、いまは米国の大学でフェミニズム理論や政治哲学を教える著者は、初対面の人によくこう言われるそうです。「ダウリー(持参金)が少ないために、毎年たくさんのインド人女性が焼き殺されているんですってね」。こんな経験をなんどもして、第三世界の女性は野蛮な文化のせいで暴力にさらされているという理解が先進国に浸透しているのではないか、と著者は考えます。

ダウリー殺人はドメスティック・バイオレンスが続いたあげく起こるのですと彼女が説明すると、たいていの米国人はぎょっとします。遠い国の「野蛮な」事件と、DVという身近な出来事を結びつけて考えていなかったからです。著者は、米国でDVの末に殺された女性の数と、インドでダウリーが原因で殺された女性の数の人口比を比べ、ほぼ同じであることを証明してみせます。

先進諸国は第三世界の現象をわかりやすくするために、文化や伝統を便利な言い訳に使っている、と著者は言います。インドには存在しないカレー粉が英国でインドの表象とされたように、第三世界という他者も西洋で「発明」されたのだと。

このように著者は、さまざまな事例や自らの体験など、具体的な話を挙げて私たちの問題をするどく指摘します。そして、意見や立場の違いをふまえながら、批判を恐れずにもっと対話し、ともに反動勢力に対抗していこうと呼びかけるのです。この本を手に取るみなさんは、他者を理解しているつもりになって真の対話を避けていた自分自身を発見するのではないでしょうか。(編集者 奥田のぞみ)








カテゴリー:著者・編集者からの紹介

〈高市的なるもの〉とわたしたち
ミニコミ図書館
多言語対応 Worldwide WAN Languages
博士論文データベース
寄付をする
遺贈寄付について
女性ジャーナル
[広告]広告募集中
〉WANサイトについて
WANについて
会員募集中
〉会員限定プレゼント
WAN基金
当サイトの対応ブラウザについて
年会費を払う

アフィリエイトの窓

  • 日本で女性研究者が増えない理由:アカデミアに残るジェンダー問題 / 著者:中野 ...

  • 新版 女の本屋の物語 (晶文社ライブラリー) / 著者:中西豊子 / 2026/06/12

  • フェミニズム (岩波新書 新赤版 2098) / 著者:江原 由美子 / 2026/02/25

amazon
楽天