「なぜ外国人女性は前髪を作らないのか」（中央公論新社）が現在発売中です。本のタイトルに「前髪」とありますが、分厚い本ですので、内容はもちろん「前髪の話」ばかりではありません。

もちろん海外と日本の「美的感覚の違い」についても書いていますが、本のテーマは「女性の生き方」です。女性の仕事や恋愛に対する向き合い方、女の友情の話、月経カップや避妊の話まで「女性のあんなこと、こんなこと」について書いています。

恋愛をするもしないも、結婚をするもしないも、女性の生き方に正解はありません。それなのに、どういう生き方を選んでも、女性は自分の生き方について「周囲からあれこれ言われがち」です。

周囲の人から何気なく発せられる「結婚したほうがいいんじゃないの？」「やっぱり女性だから子供はもったほうがいいんじゃないの？」などといった発言を「聞いたことがない」という女性のほうが珍しいのではないのでしょうか。それらの発言が善意からくるものであったとしても、「それらの雑音を無視して我が道をいくこと」が「幸せ」につながると筆者は考えています。

「自分の人生でどうしてもやり遂げたい優先順位の高いこと」は女性によってそれぞれ違います。仕事だったり家庭だったり趣味だったり。大事なのは自分の中の優先順位に真剣に向き合うこと。そうでないと周囲の雑音に飲まれ、意図しない方向に流されてしまいかねません。

本では日本と海外を比べているので、「ドイツでは～」「欧米では～」といった文章が多く登場します。「出羽守」（デワノカミ）と言われてしまう覚悟はできているものの、筆者は「全てにおいて欧米のほうが日本よりも良い」と考えているわけではありません。

本書の海外情報については「これは自分に合うな」というところは取り入れていただき、そうでないものについては、無視していただければと思います。「これはどう考えても日本のほうがいいな」と思われる点については、そのままに日本流を貫いてください。この本に登場する「女性にまつわる、あんなこと、こんなこと」が貴女にとって何らかの形で「刺激」となれば嬉しいです。