日本と台湾は、ともに極少子化、晩婚・晩産化が進展し、社会状況においても似通った点が多い。一方で、女性活躍推進という面に目を向けると、日本は台湾と比較し男女間格差が依然として大きく、男女間賃金、就業継続、家事育児負担の面で顕著な男女差がみられる。
 本書では、両国の大規模パネルデータの検証、インタビュー調査をもとに、高学歴女性の労働・家族関係、極少子化のメカニズムの解明を試みる。台湾との比較を通じて、日本の労働市場・家族のあり方について再検証し、日本の特徴をあぶり出している。

目次

序章
なぜ日本・台湾に着目するのか(寺村絵里子・萩原里紗)
第1章
公的統計とEASSから見た日台の高学歴女性の仕事・家族(寺村絵里子)
第2章
男女間賃金格差に関する日台比較(萩原里紗・佐藤一磨)
第3章
女性の家族関係・家計収入と幸福度に関する日台比較(寺村絵里子・萩原里紗)
第4章
有配偶者の出産意欲の日台比較(松浦 司)
第5章
日台の男児選好と女性の幸福度(影山純二)
第6章
日台の男女間学歴格差と同類婚(佐藤一磨)
第7章
高学歴女性の就業・家族関係に関する日台比較―デプス・インタビューによる分析―(寺村絵里子・孔 祥明)
終章
日台高学歴女性の現状と少子化のメカニズム(寺村絵里子)

◆書誌データ
書名 :日本・台湾の高学歴女性―極少子化と仕事・家族の比較
編著者:寺村 絵里子
頁数 :158頁
出版社:晃洋書房
刊行日:2021/1/20
定価 :4070円(税込)

日本・台湾の高学歴女性

著者:寺村絵里子

晃洋書房( 2021/01/20 )