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「竹村和子フェミニズム基金」がスタート:今年の締切は6/18 牟田和恵
2012.04.27 Fri
昨年12月、逝ってしまった竹村和子さん。一年におよぶ闘病、享年57歳でした。
バトラーやスピヴァクの翻訳・紹介、『愛について』『「ポスト」・フェミニズム』などの編著をはじめとした多くの刺激的な論考、そして強い印象を残すいくつもの講演。彼女の精力的なしごとに、現在の日本のジェンダー・フェミニズム研究の分野で、どんなかたちであれ影響を受けていない人は無いと言ってもいいでしょう。もちろん、私自身もその一人です。個人的にも、お宅に招いてくれたり、バトラーが来日した時には、食事を一緒にする場を設けてくれたり、何かと配慮をしてもらいました。その彼女にこんなにも早くお別れしなくてはならないのは、無念でなりません。
でも、竹村さんは、亡くなった後も、フェミニズム・ジェンダー研究に貢献をし続けてくれることになりました。竹村さんの遺志を継ぎ、お茶の水女子大学ほかの関係者のご尽力で、「竹村和子フェミニズム基金」が設立されたのです。
HPによると、基金は、「ジェンダー平等・ジェンダー正義の一日も早い達成に向けて、フェミニズム/ジェンダー研究、または女性のエンパワメントや女性のサポートの視点で実施される活動に資する研究・調査に対して、助成金を出損するもの」。しかも、竹村さんの強い意向で、大学に在籍しておらずしたがってなかなか助成金にアクセスが適わない方々、フェミニズムの活動が主になっているために、これもまた助成金に遠い方々への援助を目配りしたものとなっているとのこと。
彼女の志が、多くの人びとにつながり大きな果実となりますよう、願ってやみません。
さようなら、そしてありがとう、竹村さん。
*基金の詳細は、竹村和子フェミニズム基金HP http://www.takemura-fund.org/ で。今年の公募締め切りは6/18です。