
2020年秋から企画・準備された本書は、執筆者・写真提供者総勢45人。多彩で多分野にわたる方々のお力添えに恵まれて実現しました。7人の編集委員の信頼性の高いネットワーキングにより、復帰50年の節目に、沖縄で子どもに関わる方々の総力をあげた市民による「白書」として仕上げることができました。沖縄の子どもたちの今を見つめ、これからのしあわせに生かす手がかりとして、広くご活用いただくことを願って出版された白書です。
2017年には、県の独自調査により、子どもの貧困率29.9%という衝撃のもと『沖縄子どもの貧困白書』が編まれました。このときには、沖縄の子どもたちのありったけの困難、貧困や排除を数値で示す、ということが大きなテーマでした。しかし、そんななかにも、みずからの人権について声をあげる若者が生まれていることが、希望であり感動でした。
今回の復帰50年企画で深く心に残ったことは、より長い時間尺のなかで、今の沖縄の抱える困難の多くは、沖縄戦にさかのぼる、ということでした。その後の77年もの時間を沖縄の「おんな・子どもたち」は、声を発することも難しいまま、ひたすら生きてきたということです。その生きてきたという事実が尊い――そう全国のみなさんに伝えたい。そして、沖縄県内には、その「おんな・子どもたち」のことを自分事(じぶんごと)として、自分の仕事(しごと)として、真摯に取り組んでいる方々がこんなにもいらっしゃるのです。
忘れてならないのは、沖縄がむき出しの国家権力の暴力にさらされ続け、そういった地域・社会・家族のなかで、「おんな・子どもたち」が痛めつけられてきたことです。
本書を手に、沖縄の「おんな・子どもたち」から、日本社会を見てみてください。
第2次世界大戦後の日本社会が置き去りにしてきた問題が、この本には詰まっています。しかし、本書は、それを沖縄の、子どもの実践現場の闘いで変えてきた記録でもあります。
本書は、沖縄のみならず日本全国の、子ども・若者、おんな・子どもに関わるすべての方に託する「希望と宣言の書」です。
「希望と宣言の書」――上間陽子さんの巻頭言にあるこの言葉を全国のみなさんに共有していただき、「復帰50年」が新たなスタートの年となることを祈ります。
(かもがわ出版メールマガジン 2022年Vo.138より)
編集委員
上間陽子 琉球大学教育学研究科教授
川武啓介 やえせ北保育園園長
北上田 源 琉球大学教育学部准教授
島村 聡 沖縄大学人文学部教授
二宮千賀子 一般社団法人Co-Link
山野良一 沖縄大学人文学部教授
横江 崇 弁護士/美ら島法律事務所
◆書誌データ
書名 :復帰50年 沖縄子ども白書2022
著・編集:上間陽子・川武啓介 北上田 源・島村 聡・二宮千賀子・山野良一・横江 崇
頁数 : 312頁
刊行日:2022/8/8
出版社:かもがわ出版
定価 :3080円(税込)
慰安婦
貧困・福祉
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