ディナに勧められ、がん治療の経験が豊富というエネルギー・ヒーリング専門家のコンサルテーションを受けることになった。 ディナによると、その方はモニさんといい、「オーストリア人で、私の家のすぐ近くに住んでいる。彼女はサイキック(霊能のある人)」とのこと。 ディナのいるフィリピンの山奥に住む、サイキックのオーストリア人女性、というのはどんな人か、全く想像がつかなかったが、 信頼するディナの薦めに従い、オンラインコンサルテーションを依頼した。当時の私は頼れそうなものはなんでも頼りたかったのだ。
Zoomの画面に現れたモニさんは、確かに、何か不思議な雰囲気を持っていた。普通の人は見えない何かを見通すような目をしていた。
モニさんは私を見て、こう言った。
「あなたは手術で身体のがんを取ったけど、エネルギー体上のがんのエネルギーはまだ非常に活発です。エネルギー体にがんのエネルギーがあると、身体にもがんが現れる。特に卵巣にがんのエネルギーがあるから、このままだと、卵巣がんになるでしょう。」
スーッと全身の血の気が引いた。この人が言うからには、きっと本当にそうなんだろう。恐ろしい未来予測に、パソコンの前で泣きそうになる。
「何か質問がありますか?」と聞かれ、半泣きの状態で言った。
「私は人一倍、健康に気を使って暮らしてきました。どうして私がガンになったんでしょうか。」
モニさんは「あなたのがんは、あなたの母方の家系が原因です」と即答した。
思い当たる節があった。私の母はがんではないが、32歳で亡くなっており、母の母も若くして亡くなったと聞いていた。母の家系には女性が長生きしない何かがあるようだ、と私の家族はみな感じていた。
モニさんは、エネルギー・ヒーリングの手法を使い、活発ながんのエネルギーを抑制し、他の臓器への転移を防ぐこと、私自身のエネルギーを高め、抗がん剤治療の副作用を最小限にすること、また、がんの原因である母方の家系の過去をヒーリングする、と説明した。そんなことが可能なのか、全く信じられなかったが、私の直感が「生きるためにヒーリングセッションをすぐ始めたほうがいい」と言っていた。
そのコンサルテーション後に届いた提案書には、深刻ながんのケースにあたる私は4か月間にわたる31回のヒーリングセッションを受けるべき、と書かれていた。費用は4,350USドルだった。
決して安い値段ではないと思ったが、生きるためにやるべきだ、という直感に従い、
すぐ支払いを済ませ、間もなくエネルギー・ヒーリングのセッションが始まった。
エネルギー・ヒーリングセッションは1時間強で、「エネルギーを浄化して、エネルギーを活性化する」というエクササイズと呼吸法、ヒーリング効果のある瞑想法を行う。エクササイズは呼吸にフォーカスした、シンプルな動き。手術で体力が弱り、左胸と左のリンパ節を切除した影響で左腕が動かしづらかった私でも簡単に行えるものだった。私がエクササイズ・呼吸法・瞑想を行っている間、ヒーラーのモニさんがヒーリングを行う。
最初の一週間は毎日、ヒーリングセッションがあった。
1,2回目のセッションではこれが何に効いているのか分からなかったが、毎回のセッションでモニさんがくれるアドバイスに素直に従うことにした。
「ヒーリングセッションを受けている期間、ヨガと気功の練習は止めてください。健康な時ならいいですが、がんが全身に広がりやすくなります。」と言われたことは、ヨガ講師をやってきた私にはショックだったが、それにも従った。
なので、セッション時のエクササイズくらいしか運動していなかったのだが、セッションの4回目くらいから食欲が増して、以前より食べられるようになった。体力も少しづつ回復してきた。
セッション開始後10日ほど経って、抗がん剤治療の一種の、卵巣機能を抑制する注射を受けた。前回受けた時、注射の翌日は身体が重くて、一日中寝込んでいたのに、その時は何の副作用も感じず、普通に過ごすことができた。これは本当に不思議だった。
「スピリチュアル」に懐疑的な私でも、このエネルギー・ヒーリングには効果がある、と思わずにはいられなかった。
モニさんに勧められたエネルギー・ヒーリングの基礎が学べるオンラインコースに申し込み、ヒーリングセッションを受けながら、自分でも学び始めた。
面白い。今までヨガ、瞑想、栄養学は学んできたけど、それらとも違う、新しい概念だった。
コース内で、エネルギー・ヒーリングシステム創設者Master Del Peが語る、一般常識を超えた概念に驚くことも多かったが、新しいことを学ぶのは楽しかった。
そうやって楽しく学んでいるうちに、自分ががんだということを忘れるようになっていった。定期的に病院に通っていたので完全に忘れるわけではないが、自分ががんだということを考えずに暮らす時間が増えていった。
そして、ヒーリングセッションを受けながら、面白いと思えることを学べている、今の自分はとても幸せだ、恵まれている、と感じるようになった。
今振り返ると、これは病気の治癒にとても大事なことだった。
日本のことわざでも「病は気から」と言うが、自分自身を病人と見なしている限り、病気は治らない。
4か月間のヒーリングセッションの中盤、エネルギー・ヒーリングシステムの創設者Master Del Peから、「あなたは『患者』ではなく、『魂の探求者』になったんです。」と言われた。
病気という困難を乗り越えることを通して、魂を成長させている過程なのだ、と。
そう言われたことは、本当に嬉しく、心に響いた。私はきっと大丈夫だ、と思えた。
そして、病気ではなく、人生での成長にフォーカスすることで、病気が癒されることを学んだのだった。
エネルギー・ヒーリング専門家モニさんにインタビューした動画(日本語字幕付き)はこちらからご覧になれます。
筆者紹介:星屋智(ほしやちえ)
ブログ:Heal your energy 心と体を整えるエネルギーヒーリング・エクササイズ・瞑想
2013年から、フィリピン・マニラ在住。現地でヨガインストラクター、オンライン日本語教師として活動。
2021年 乳がんと診断され、手術、治療。治療の過程でエネルギー・ヒーリングと出会う。
2022年 World institute for incurable diseases (WIID)認定エネルギー・ヒーリング アソシエートスペシャリストの資格を取得。
オンラインでエネルギー・ヒーリングのセッションを行っている。