「女性たちの映画史」をめぐるガイドブック

「女性たちの映画史」をめぐる、あたらしくたのしいガイドブックです。
映画史における「女性」、スクリーン上に存在する女性たち、あるいはそのイメージを紡ぎ上げる作り手、映画表現における女性存在をめぐる思考、あるいはその先で映画を広げようとする方々まで、「女性たちの映画史」に向き合うための方法を探ります。
監修は日本未公開映画の上映を企画・運営する団体グッチーズ・フリースクール、編者はグッチーズ・フリースクールの降矢聡氏とさまざまな形で映画に携わる吉田夏生氏です。


目次

INTRODUCTION 「女性たちの映画」とはなにか

CHAPTER1 スクリーンの中の女性たち

1 彼女たちの恋愛
メロドラマを成立させた、伝統的価値観における女性像とその変遷│佐藤久理子
・女性と恋愛とステレオタイプ
・ロマンティック・コメディはどこへゆく?
・恋のお悩み相談室

2 彼女たちの青春
『冬の旅』、その後……│鈴木史
・彼女が旅に出る理由
・ユースプロイテーション~女性の撮り方研究ノート
・シスターフッド/マイ・ベスト・フレンズ

3 彼女たちの闘争
「レイプ-リベンジ」映画の系譜を遡る―女性と暴力をめぐる逆説―│鷲谷花
・彼女はアクションスター
・声を上げた女性たち

4 彼女たちの労働・家庭
極私的〈女性の労働 映画篇〉考│川口敦子
・働く女性のお仕事図鑑
・家事も立派な労働である
・映画から考える、「私の身体、私の選択」

5 彼女たちの恐怖
ホラー・クイーンの醒めない悪夢│小澤英実
・恐怖は誰のものか?
・逆襲するファイナル・ガール

CHAPTER2 彼女たちの映画史

1 初期映画の作家たち
・映画の女性パイオニアたち│常石史子

2 女性監督の(再)登場
・70年代アメリカの女性監督たち
・80年代アメリカの女性監督たち(1)
・80年代アメリカの女性監督たち(2)│渡部幻

3 作家主義以降
・戦後フランスの女性監督たち(1950-2000年)│新田孝行
・イギリスの女性監督たち│高崎郁子
・ドイツの女性監督 戦後ドイツの別の側面│渋谷哲也
・イタリアの女性監督たち│古賀太
・旧ソ連・南米・南欧の女性監督たち│赤坂太輔

4 ヒット作から見る女性監督
・1980年代以降における女性監督による大ヒット作品│月永理絵

5 現代の女性映画監督たち
・鼎談 「憧れ」から「共感」へ、「私」から「私たち」へ│降矢聡、吉田夏生、田中竜輔

CHAPTER3 映画を広げる女性たち

未来をキュレーションする
――川喜多かしこと高野悦子 映画上映におけるふたりの女性パイオニア│高崎郁子
インタビュー
映画評論家 松本侑壬子
「私たちの自己主張」のために――『女性監督映画の全貌』をめぐって
アンケート
映画を広げるという仕事をめぐって
ブックガイド
彼女たちの研究・批評・理論

CHAPTER4 ドラマシリーズの女性たち

座談会  2013年以降のドラマシリーズにおける女性たちをめぐって
│稲垣晴夏、黒岩幹子、関澤朗、山本恭輔、降矢聡、吉田夏生、田中竜輔

執筆者&イラストレーター 略歴

◆書誌データ
書名 :ウィメンズ・ムービー・ブレックファスト 女性たちと映画をめぐるガイドブック
著者 :降矢聡+吉田夏生・編
頁数 :224頁
刊行日:2024/4/26
出版社:フィルムアート社
定価 :2530円(税込)

ウィメンズ・ムービー・ブレックファスト  女性たちと映画をめぐるガイドブック

著者:降矢聡

フィルムアート社( 2024/04/26 )