女の本屋

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ジャンルを超えた、読み物 『困っている人』 大野更紗

2012.08.12 Sun

アマゾンのサーバでエラーが起こっているかもしれません。一度ページを再読み込みしてみてください.どう、この本の魅力を語るか、困っている。
苦痛、苦悩、苦心、苦労など、この本は苦しいことや、痛いことが満載(本自体のテーマは難民、難病など、難である)。

だけど、読者は読み物として楽しんでしまうのだ。グイグイと、頁をめくらされる、ジェットコースタードラマのよう。

作者は、平成を生きる二十代。インターネットやiPhone を駆使する現代っ子のはずだが、どこか昭和の佇まいを感じさせるのです。

主な舞台となる病院やお医者さんは、小栗虫太郎か夢野久作にでてくる博士みたいだし、あるいは、ドクトル・マブゼか?

忌野清志郎も重要な配役。そして、本当に奇天烈な難病と、ブラジル・アマゾンの秘境のような日本の社会保障システムを生き抜く主人公の冒険譚。

凄いとしか言葉が見つからない生き様なのですが、自分を見つめ、社会を見つめ、そして、恋心までじっくり観察する、作者独特の観察力によって、一つの作品として大成功している読み物だと思いました。

ノンフィクションを超えた物語、ジャンルを考えるだに困っています。

ムーミン好きにもたまらない。

映像化まで想像する自分にも困っています。(moomin)








カテゴリー:わたしのイチオシ / moomin

タグ:身体・健康 / / 社会保障 / 難病 / 社会福祉