
インド発!パワフルでレジリエントな 希望と抵抗のアート&フェミ絵本。
民族アーティストの絵や伝統的なシルクスクリーン印刷を用いるなど、
世界一美しい本を作るといわれているインドのタラブックス。この絵本も、インドで印刷製本されインドの人たちの手で作られました。
アーバン・フォークを受け継ぐ、著者サンギータの躍動感あふれる美しく楽しい絵が踊ります。2000年生まれのサンギータはインド西部のグジャラート州で育ち、独学で絵を身につけた両親から絵を学びました。主に肉体労働で生計を立てていた親のもと、小学校2年生までしか学校に通うことができず、幼くして大家族に嫁がされたサンギータ。
家事、育児に追われる労働の合間に、寝る暇もおしみ、「やりたいことを自由にやれ、なりたいようになれる」遠い世界の扉を開いてくれる「これからの女」たちの絵を描き続けています。それは、おしゃれをしたり、ダンスを踊ったり、自由に旅をしたり、それぞれの楽しみ方で、自由に生き、人生を選べる女たち。
やはり画家である母・テジュべハンの本を作ったタラブックスの代表ギータ・ヴォルフに才能を見出され、この絵本が生まれました。サンギータが語る、夢を、希望を、思いを、文章にまとめたのはギータでもあります。
「どれほど困難な状況にあっても、軽やかにユーモアを持って突き進んでゆくサンギータの姿勢は勇気に満ちている‥絵の中の女たちがみんな楽しくしていることがわかるでしょう。けれど、そこには描かれていない女たちがいる。それは、彼女の人生、彼女自身がおかれている現実でもあります」(あとがきより)。
原題は「The Women I Could Be」直訳すると「わたしがなれるかもしれない女たち」。厳しい現実と闘いつづけるサンギータには、なれないかもしれない夢が絵の中に多く描かれていますが、訳者の小林エリカさんは「わたしは なれる」という言葉で言い切り、一人ひとりの多くの女たちの意志を込めました。サンギータは「どれだけ これからの女に なりたいと願っても、それはひとりでは かなえられない」と、みんなの力で「なりたいようになれる」社会を手に入れようと呼びかけています。
――この本を手にすれば絵が、本が、ひとりの人を、社会を、世界を、変えることができるかもしれないと、信じることができる(訳者:小林エリカ)
◆書誌データ
書名 :わたしは なれる
著者 :著:サンギータ・ヨギ 訳:小林エリカ
頁数 :138頁
刊行日:2025/04/01
出版社:green seed books
定価 :3960円(税込)
