2月1日、ウィングス京都で開かれた「映画『五月の雨』自主上映会in京都」に参加した。DV被害者の相談・支援を行っている人や、この問題に関心のある人を対象にした催しだった。主催は京都の男女共同参画を考える会、共催はウィングス京都を管理運営する公益財団法人京都市男女共同参画推進協会。
「五月の雨」は今年4月1日から選択肢の一つとなる離婚後の共同親権について、DV・虐待被害者の視点から何が問題なのかを明らかにした冨田玲央監督の映画だ。製作はちょっと待って共同親権ネットワーク。

物理的な暴力を受けたわけではなくとも、じわじわと真綿で首を絞めるように夫からの精神的なDVを受けて同居に耐えられなくなった長谷川香織(安川まり)は、子連れ避難して調停の末、共同親権を選んで離婚した。その数年後、彼女はとんでもない難問にぶち当たってしまう……。このストーリーを軸に、DV被害の当事者や支援する弁護士らのインタビューを織り込んだ74分の濃密な映画だ。
上映後、吉田容子弁護士による解説があった。

婚姻中、父母は共同親権者として子の養育と監護に当たっている。それを離婚後も選べるようにしたのが離婚後の共同親権だと説明される。子どもの立場を真ん中に考えて、言葉だけ聞くと、いいことのように思える。しかしそこにはとんでもない落とし穴がある。
吉田弁護士は言う。
「親権を共同にするという意味は、子にとって重要な事項を父母が共同で決めるということ。一方が嫌と言えば決まらない、つまり、常に拒否権を持つということである。日常的に子育てに関わらない別居親が、受験・入学、医療、転居などの場面で、自分が口を出したい時には出してくる。話し合うことが難しいから離婚した人たちが、対等な立場で迅速に協議し決定できるのか」
「DVは家庭内暴力といわれ、裁判所も身体的な暴力を中心に考えているが、家庭内の支配関係というべきである。協議や調停で親権の帰属が決まらない場合には、家庭裁判所が判決で決めるが、その際、虐待やDVの有無等が考慮されることになる。ただ、今回の法改正は離婚後も両親が関与するのが良いとの建前だから、家庭裁判所の判断がどうなるかは不明である。現状では離婚の大半は協議離婚であるが、親権帰属についての裁判所の判断は、協議離婚にも影響を及ぼすだろう。一度、共同親権を選んでも、単独親権に変更することは制度としては可能だが、実際のところはかなり難しいと思った方がいい。安易に共同親権を選ぶことのないように、よく考えてほしい」

「映画『五月の雨』自主上映会in京都」は、2月5日に福知山でも上映が行われた。
この後は2月23日(月・祝)18:00〜20:00に長岡京市生涯学習センター 4F学習室1(JR長岡京駅前)でも上映会があり、こちらの会場でも上映後、吉田容子弁護士による解説がある。協力費1,000円。定員40人(先着順)。申込締切は2月20日(金)。
詳しくはコチラ https://x.gd/ymhqz
【申し込み】以下の専用フォームから https://forms.gle/uuh8YDJtamDWyyFB9

京都上映会のほかにも「五月の雨」は全国で自主上映が始まっているほか、東京・新宿のK❜sシネマ、横浜のシネマリンでも公開が予定されている。

映画「五月の雨」特設サイトはコチラ https://maydayrain.com/