
(イラスト:田中サトミ)
北欧の小国、アイスランドは世界経済フォーラムが発表するジェンダー格差指数世界ランキングⅠ位を16年間維持しているジェンダー平等先進国。そんな国だって、半世紀前には、男尊女卑の社会だった。そこに変化を起こした画期的なできごとが、1975年10月24日の「女性の休日」である。
国内の女性のほぼ9割が集まって、賃金格差などの男女不平等に声をあげた。それが今では大統領も首相も女性、閣僚11人中半数以上が女性、国会議員の5割近くが女性だ。大統領が女性なのを見た男の子が「ママ、男でも大統領になれるの?」と言ったというエピソードまである。とはいえ、女だからという理由で選ばれたわけではない。
昨年がその50周年で、ドキュメンタリー映画『女性の休日』が全国各地で上映されている。その映画を見たひとたちの胸に、火がついた。
アイスランドを取材して、政治家やアクティビストから「どうやってジェンダー平等を実現したの?」と聞いてまわったジャーナリストの浜田敬子さんや小安美和さんが呼びかけ人になって、日本版『女性の休日』を実現しよう!と私にも声がかかった。
設定されたのは3月6日金曜日。というのも3月8日の国際女性デーが今年は日曜なので、もともとお休みの日をわざわざ「休日」にしても意味がないからだ。
すでに各地で動きが始まっている。できることを、できる場で、できる仲間と。もやもやしていることを話し合う集会でもいい、しゃべり場でもいい、職場を脱け出したり、家事をお休みしてもいい。東京ではスタンディングデモをやろうと実行委員会ができた。そのイベントをオンラインで中継してつなごう、という計画もある。
映画を見た。半世紀前には20代から30代、いまは70代、80代になった女たちが、「あのときはたのしかったわね」とはじける笑顔を見せる。
終わりに胸の詰まるシーンがある。その高齢の女性たちの娘や孫娘にあたる世代の女たちが、こう歌うのだ。
「おかあさんたち、ありがとう。まちがいをただしてくれて」
少し前に、わたしは『こんな世の中に誰がした?』(光文社、2024年)という本を出した。それというのも、日本の現状についてデータを示しながら講演したあと、ある女子高校生からこんな感想を受けたからだ。
「今日の上野先生の講義を聞いて、これからわたしが出ていく社会が、まっくらだということがわかりました」
絶句した。そして思わず口にしたのが「ごめんなさい」ということばだった。本の副題は「ごめんなさいを言わなくてもすむ社会を手わたすために」というもの。
娘たちや孫娘たちから「ありがとう」と言ってもらえる世の中をつくることができるだろうか。その責任はあなたにもある。
日本版『女性の休日』HP
https://preview.studio.site/live/JpOLBlrNaQ?fbclid=IwY2xjawNUKJlleHRuA2FlbQIxMABicmlkE[…]XL0zijrX-njmQaqUgpk5CSq_gpRF6tUg_aem_LId5Lg6p8lIqOOfAADHb4w
「朝日新聞」2026年2月2日付け北陸版「北陸六味」から許可を得て転載。
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