皆さん、こんにちは。お久しぶりです。

オランダでは6月下旬に熱波がやってきました。
普段はこの時期でも最高気温は25℃前後と過ごしやすいのですが、このときはなんと39℃。そんな日が3日も続きました。

「今日は危険な暑さになります。」

そんな予報が出た日は、朝から近所の図書館へ避難していました。

近所の川辺



冷房の効いた図書館でオランダ語を勉強しようと、語学学習の本を探していると、相談カウンターの女性が声をかけてくれました。

彼女はとても親切で、語学学習に役立つ情報をたくさん教えてくれました。アジア系の女性で、オランダ生まれ、オランダ育ちとのことです。

テーブルに座って語学学習の話をしているうちに、話題は自然とお互いの人生へ移っていきました。
「日本では何をしていたの?」
「今は一人で暮らしているの?」
そんな質問に答えながら、
「結婚はしていなくて、一人で暮らしています。」
と話すと、彼女は笑顔でこう言いました。
「それって素敵だね。多くの女性が選ぶ道とは違う人生を、自分で選んでいるんだね。」
日本ではあまり言われたことのない言葉でした。

結婚していないことを「自分で選んだ人生」と肯定的に受け止めてもらえたことが、とても嬉しく感じられました。
私は、日本で働いていたこと、アメリカで暮らした経験、そしてフェミニズムとの出会いについて話しました。
フェミニズムを知ったことで、「結婚しない人生」を選んでもいいのだと心から思えるようになったこと。一人で生きることが自分には心地よく、その生き方を大切にしたいと思えたこと。

そして両親を見送った今、「本当に自分が生きたい人生を生きよう」と決め、大好きだったオランダへ移住したことも話しました。
彼女は「あなたの人生をシェアしてくれてありがとう。話を聞けてすごくよかった」といってくれました。

今度は私から彼女に質問しました。
彼女の名前は Nga Ting Lee さん。アートの教師をしているそうです。

両親は香港出身で、彼女が赤ちゃんの頃にオランダへ移住してきたそうです。

日本食が好きで、韓国には短期移住を考えるほど何かアーティストとして惹かれるものがあるそうです。

現在もアムステルダムでアートを学び続けているそうです。
以前は夫の仕事で中国に住み、中国の学校でアートを教えていた経験もあるそうです。

私が「フェミニズムに出会って人生が変わった」と話したとき、
「私はフェミニストアートも制作しているの。タブーを表現するのが好きなの。」
「だからこんなに話が弾んだんだね。」
と、二人で思わず笑ってしまいました。

彼女の作品がとても素敵だったので、皆さんにもご紹介したいと思います。

『ヴァギナの回想録(Vagina's Memoir)』
女性と女性たちの物語をテーマにした雑誌『Brenda Magazine』のためのイラストレーション。
この号では、アーティスト向けに「Memoir(回想録)」をテーマとした自由制作作品が公募されました。(2015年)

そこで紹介された彼女の作品。



ヴァギナが一生の間に経験する様々なものが、まるで標本やメモのように並べられています。
例えば、
● 月経カップ
● タンポン
● コンドーム
● 膣リング
● IUD(子宮内避妊具)
● 精子 など





「ヴァギナの部屋」 こちらはもっと象徴的です。
子宮・膣の断面が一つの部屋になっています。
そこには
● 椅子
● テレビ
● 写真
● 暖炉
● ラグ があり、
まるで「子宮の内側には一つの生活空間がある」ように描かれています。





タンポンの一日
これはタンポンが主人公になっています。
タンポンに吹き出しがあり、
● "Not again."(またか…。)
● "Self care."(セルフケア。)
● "Need yoga."(ヨガが必要。)
● "Tomorrow better."(明日は良くなる。)
● "1,2,3,4,5,6..." などと話しています。





女性の一日
こちらは女性本人。
朝から
● 「うう…」
● 「疲れた」
● 「はぁ」
● 「うげ…」
という様子で、
ベッドから起き上がるだけでも大変そうです。
一枚目では寝ていて、最後には起き上がっていますが、元気いっぱいというより、「頑張って起きた」という印象です。

Nga Ting Lee さんのInstagram
https://www.ngatinglee.com/pages/memoir

最後に私は、
「私がフェミニズムに出会うきっかけになったのは、上野千鶴子さんの本なんです。」
と伝えました。

すると彼女は、その場ですぐに上野千鶴子さんを検索して、「私も読んでみる!」
と言ってくれました。

日本のフェミニズムが、オランダの図書館で一人のフェミニストアーティストへとつながっていく。
そんな小さな瞬間が、とても嬉しく感じられました。

熱波から逃れるために立ち寄った図書館で、思いがけずフェミニストアーティストと出会えた一日。
旅や移住の魅力は、こうした偶然の出会いにもあるのかもしれません。


今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

寝る準備をしているクッキー



☆☆☆☆☆☆
Sami
1973年生まれ。Feminist、非典型所属者。
群馬→東京→アメリカ・ノースカロライナ州→東京→オランダ移住(いまここ)
大事なもの:Freedom of Choice
座右の銘:実践あるのみ
猫と幸せに生きています。
自分の居心地のいい場所は自分で作ります。どうぞご一緒に。
☆☆☆☆☆☆