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学生服とショートパンツ 和田直美

2011.07.03 Sun

“クールビズで男はダサくなり、女は暑くなる”。

そう感じた出来事があった。 6月初旬、ジメジメとした出勤中にオフィス街を歩いていると、ワイシャツ×パンツ姿の男子高校生が、大きなビルに入っていった。「こんなとこに高校ってあったかな?」と思いつつ近づいていくと、学生たちは皆、老け顔。そう。学生ではなくサラリーマンだった。流行りの『スーパークールビズ』なのだ。みんな、白くて無地のワイシャツをパンツにINし、テカテカした黒いベルトを締めている。どう見ても学生服。

たぶん、会社からクールビスの服装規定が発令されてるのだろうが、誰一人として、規定をやぶっているサラリーマンはいなかった。 ただ、学生服と決定的に違うのは、着てる人の年齢である。あのダサい服装は、若さ溢れる男子高校生が着るから、萌えるのであって、疲れたサラリーマンたちが着てしまっては、なじみすぎて、ため息が出る。社内一のイケメンが着ていたって、ダサい。だいたい、夏用の生地の薄い白ワイシャツは、ネクタイを締めていなかったら、下着と同じようなものである。ランニングシャツの上に、ランニングシャツを着ているようなものだ。

学生服化の衝撃を隠せないまま、会社に着くと、そこでも『スーパークールビス服装規定』が発動されていた。キャミソール、甚平、アロハシャツがダメなのはわかる。納得がいかなかったのは、『ショートパンツは、レギンス、トレンカ着用の場合はOK』であることだ。これまでだって、ショートパンツを生足で履いている女性社員はたまにいた。年齢的なものと足の太さの問題により私は履いてはいなかったが、人が履いている分には涼しくて好感が持てていた。それに、夏場のレギンスやトレンカは、本人よりも周りからの見た目が暑い。

なのに、なぜ・・・。

想像するに、スーパークールビズ服装規定を考えるミーティングで、

社員「女子社員のショートパンツどうしますか?他社の規定にはありませんけど」

上司「どうするかな~。君、どうかね?」

女子「私は履きませんけど、履けと言われたら、レギンスかトレンカ履きますね」

上司「じゃ、そうしよう」

てな感じが、繰り広げられたのだと思う。こうして女子のスーパークールビズは暑くなるのである。 そして、スーパークールビズが始まって約1ヶ月。さぞや浸透してるだろうと思いきや、オシャレ男子社員たちは、また背広を着はじめている。クールビズのダサさにモテなかったのだろう。

白ワイシャツINのサラリーマンとの差は、ますます広がるばかりだ。 この日本に、オシャレにスーパークールビズる日は、来るのだろうか。

タグ:ファッション / 和田直美