2012.08.12 Sun
北欧最大のセクシャルマイノリティーの祭典、ストックホルム・プライド(Stockholm Pride 注1)。今年も7月31日から5日間にわたり、街のあちこちでイベントや講演会が繰り広げられました。最終日の土曜は市の中心部数キロメートルを約5万人(主催者発表)がパレードし、沿道には約54万人の市民がパレードを待ちかまえ、声援を送ります。
この日は市バスも車も自転車も、市民の表現の自由に百歩譲って、走行も駐車もなし。大通りは音楽にあわせて踊る参加者で、まるで巨大なダンス会場のようです。
1998年に始まったストックホルム・プライドは、2004年に性別に中立な婚姻制度の法律が国会での圧倒的な多数により可決されたあとも毎年行われて、ますます大きく発展しているようです。「常に声をあげていなければ、いつ後戻りするかわからないからね」「まだ解決されていない社会的な問題もあるから、encourageし続けないとね」と市民。
先頭のバナーには「声をあげられない人にかわって行進しよう(“Marching for those who can ‘t”)」とあり、口にテープを貼った参加者。まだ法律的にも社会的にも苦境にさらされている他国のマイノリティーへ馳せる思いも表現していました。
パレード隊は、セクシュアリティー、ジェンダー関係のNGOだけでなく、オープンな学校を求める高校生、大学自治会、教師、交通局、大臣、各政党(極右は別として右派も)、警察や軍隊グループまで参加しています。
ここまでの大きなうねりに育て、維持し続ける市民。生まれてきた一人ひとりが尊重される暮らしやすい社会にしようとする、市民のものすごいパワーを感じます。
注1) ストックホルム・パレード オフィシャルサイト: http://www.stockholmpride.org/
カテゴリー:投稿エッセイ
タグ:LGBT / クィア / セクシャルマイノリティ / 金繁典子 / 性同一性障害
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