2013.08.28 Wed
6月8日『橋下市長の「慰安婦」・性暴力発言を許さず 辞任を求める集会』報告 周藤由美子
6月8日に行われた『橋下市長の「慰安婦」・性暴力発言を許さず辞任を求める集会』の簡単な報告をしたいと思います。
賛同団体は当日までに69団体集まりました。
全国の皆さま、どうもありがとうございました!
当日は遠方からも大阪に駆けつけていただき170名以上の参加があり、会場は一杯になりました。
沖縄の高里鈴代さんよる1時間の講演は、参加者から「時間が足りないくらいでもっと話を聞きたかった」という感想が聞かれるくらい迫力一杯のものでした。
続いて実行委員会の各団体から、橋下発言の問題点について様々な角度からの批判が行われました。
講演や報告の様子はIWJ(インターネットウェブジャーナル)でユーストリーム録画されていますのでご覧ください。
「2013/06/08 【大阪】橋下市長の「慰安婦」・性暴力発言を許さず辞任を求める集会」@IWJ
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/83819
※掲載期間終了後は、会員限定記事となります。
私が特に印象に残ったのは、自分が所属する団体でなんですが、性暴力を許さない女の会のものでした。
「従軍慰安婦」を「かわいそうやけど昔のことやん」、「沖縄の米軍の性犯罪」を「気の毒やけど大阪のことちゃうし」で、すませないために~これは私らみんなの問題やで~
ということで、現行の刑法強姦罪の暴行・脅迫要件や性暴力裁判における強かん神話の問題などを指摘し、
性暴力を受けてもかまへん女性なんかおらへん!
性暴力犯罪が行われてもしゃあない状況なんかあらへん!
「性暴力禁止法」を作っていきたい、と締めくくられていました。
心にスッと入ってくる内容でした。
(報告の最後なので動画をご覧の場合は最後まで見て下さい)
最後に集会アピールが確認されました。
長くなりますが、アピール文も最後に貼り付けますのでご参照ください。
橋下発言の撤回と辞任を求める闘いはまだまだ続きますが、高里さん、参加者の皆さま、実行委員会の皆さま、ありがとうございました。
以上、簡単な報告とお礼でした。
≪賛同団体≫ 【6月8日現在69団体】
特定非営利活動法人スクール・セクシュアル・ハラスメント防止全国 ネットワーク
生活困窮者連絡協議会
公人による性差別をなくす会
戦時性暴力問題連絡協議会
フィリピン人元「従軍慰安婦」を支援する会
特定非営利活動法人全国女性シェルターネット」
ウィメンズカウンセリング京都
パープル・ユニオン
ペイ・エクイティ・コンサルティング・オフィス(PECO)
北海道ウイメンズ・ユニオン
NPO法人女性エンパワーメントセンター福岡
NPO法人ウィメンズネットこうべ
博多ウィメンズカウンセリング
NPO法人ヒューマンライツ・ナウ
ウィメンズカウンセリング富山
フェミニストカウンセリング神戸
ウィメンズカウンセリング名古屋YWCA
アジア女性資料センター
日本軍「慰安婦」問題を考える会・福山
なかまユニオン
NPO法人女のスペースながおか
W・Sひょうご
「慰安婦」問題を考える会・神戸
「慰安婦」問題解決オール連帯ネットワーク
ふぇみん大阪
性暴力禁止法をつくろうネットワーク
北京JAC(世界女性会議ロビイング・ネットワーク)
生活思想社
NPO法人アーシャ
おんな労働組合(関西)
「ポルノ被害と性暴力を考える会」(PAPS)
フェミニストカウンセリング堺
アクティブ・ミュージアム「女たちの戦争と平和資料館」(WAM)
北京JACふくおか
働く女性の人権センターいこ☆る
千葉県高等学校教職員組合男女平等教育推進委員会
NPOフィフティ・ネット
世界女性会議ネットワーク関西
認定NPO法人ウィメンズアクションネットワーク(WAN)
(在日)女性の為の電話相談セットン
憲法勉強会ベアテの会
NPO法人さんかくナビ
DV防止サポートシステムをつなぐ会・岡山
OPEN(平和と平等を拓く女たちの絆)
NPO法人アウンジャ
女のサポートライン
女性のための街かど相談室ここ・からサロン
WILPF京都
戦争はいやだ!市川市民の会
NPO法人ZUTTO
ウィメンズカウンセリングさせぼ
平和憲法を守る荒川の会
「慰安婦」問題を考える女たちの会・岡山
出生差別の法改正を求める女たちの会・杉並
女性ユニオン名古屋
日本軍「慰安婦」問題の解決をめざす北海道の会
NPO法人ひこばえ
地域支援ネットそよかぜ
AWS
大阪を壊さんとって ストップハシズム!大集合」
ぐるうぷ;NO!セクシュアル・ハラスメント
S・ぱ~ぷるリボン
FGM廃絶を支援する女たちの会
みやぎジョネット
NPO法人手をつなぐ女たちの会
基地・軍隊を許さない行動する女たちの会
沖縄戦と日本軍「慰安婦」展実行委員会
ワーキング・ウーマン-男女差別をなくす愛知連絡会
女性首長を実現する会 あいち
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集会アピール
橋下徹大阪市長は、5月13日以降、「慰安婦は必要だった」「米軍の性犯罪を防ぐためには風俗を活用したらいい」といった趣旨の発言を繰り返してきました。27日の外国特派員協会会見の席上で米軍と米国民にだけは発言を撤回・謝罪しましたが、元日本軍「慰安婦」被害当事者、沖縄県民、すべての人に対する人権侵害については、いまだに一切責任を認めようとしていません。
5月30日には国連の拷問禁止委員会が橋下市長の発言を念頭に「慰安婦」問題で「日本の政治家や地方の高官が事実を否定し、被害者を傷つけている」と批判する勧告を出しました。歴史における事実を認めようとせず、責任を回避しようとする態度は国際的な激しい批判を浴び続けています。橋下市長が日本の国際的な信用を失墜させた責任は重大です。
橋下市長は自分の言葉に責任を持ちません。「誤報だった」「どこの国でもやっている」「過去にそういう状況だったと言っただけ」など詭弁とも言える弁明を繰り返しています。さらに、大阪市会が問責決議をあげようとすると、出直し市長選に出ると恫喝し、結局、提案は否決されてしまいました。自分の言葉に責任を取ろうとしない人物に政治をまかせることはできません。
橋下市長は都合よく人を利用しようという考えを持っています。「兵士を慰めるために」「性犯罪を防止するために」女性を利用すればいいというのです。しかし、女性は性欲を処理するための道具ではありません。「慰安婦」も「風俗嬢」も日本軍や米軍の兵士の暴力にさらされていいわけはないのです。さらに言えば、本当に兵士や沖縄県民のことを考えるのならば、戦争や基地の存在自体を問題にすべきではないでしょうか。橋下市長の一連の発言は、結局は戦争をするために女性を利用しようと言っているに過ぎません。人権を軽視する人物は、政治家にふさわしくありません。
橋下市長の今回の発言によって、はからずも日本が性暴力に甘い社会であることが露呈しました。橋下市長は「慰安婦」に関して「暴行・脅迫」の「証拠」がなければ、「強制的なレイプではない」と主張します。現在の日本の刑法強姦罪は客観的な暴行・脅迫の証拠がなければ無罪になってしまうという被害者にとって非常に厳しいものです。明治に作られたまま改正されていない刑法強姦罪は、第三次男女共同参画基本計画や内閣府の暴力専門調査会でも見直しの必要があると指摘されています。橋下市長が本当に女性の人権を尊重するというのなら、日本の法律の不備を問題にしていくべきであり、日本の性暴力に対する意識を変える役割を果たすべきです。
言うまでもなく風俗で性犯罪を防止することはできません。また、風俗で働く人に対する暴力や犯罪行為は決して許されるものではありません。自分で納得の上で働いているのだから問題はないという発想は、風俗でしか働けない状況におかれた人の存在を無視しています。そして、戦争に「慰安婦」は必要だったという考え方自体が問い直される必要があります。戦争中であっても、誰に対しても意思に反した性的な行為は性暴力であり、どんな性暴力もあってはならないのです。私たちは、性暴力を許さない社会をつくっていきたいと考えます。
私たちは橋下市長の「慰安婦」・性暴力発言を決して許さず、あくまでも辞任を強く求めます。
2013年6月8日
『橋下市長の「慰安婦」・性暴力発言を許さず辞任を求める集会』参加者一同
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なお、この記事は2013年6月17日に掲載された記事の再掲です。