エッセイ シネマラウンジ

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『何を怖れる フェミニズムを生きた女たち』完成記念キャンペーン (1)

2014.09.25 Thu

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 ユキエ』『折り梅』『レオニー』の松井久子監督作品、フェミニストたちの証言でつづる、ドキュメンタリー映画『何を怖れる フェミニズムを生きた女たち』(※以下、『何を怖れる』)は、9月5日(土)に、あいち国際女性映画祭で初上映。800人収容の会場が、ほぼ満席に近い盛況となりました。

制作にあたってはWANも助成金および指定寄付の募集で、作品の完成を支援しました。

完成を祝し、記念キャンペーンを始めます。

(なお、上映条件については検討中、追って情報を提供いたします。サイトを注意してご覧下さい)

 第一回目は、8月25日(月)18:30から、東京にある本所地域プラザBIGSHIPで行われた試写会の感想をお届けします。

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『何を怖れる』試写会に寄せて

  和田享子

何を怖れる(2)

地表に湧いて出てきた地下水は、色も味わいも異なる清流をいくつも作り、険しい山間を縫って流れながら岩を削り、幅を広げ、合流し、一筋の、際立つ“川”を作った。実に壮大な映画。

試写会場の名前はBIGSHIP。
なんて洒落た演出!

メッセージが体の芯まで深く入り込み、細胞の一つ一つにまで達したかと思う頃、さらなる感動がふつふつと、じわりじわりと沸き上がってきた。
ひとつになって流れる川を、ミクロの視点で眺めて見れば、個性ある雫の集合体・・・。
そうだ。私は、その流れに自分の意思で合流した雫の一滴。先達が、それぞれの立場で、それぞれのやり方で作り上げてきたフェミニズムという理論とアクションを、自分らしいやり方で生き、次の世代へ渡して行く大きな川の流れの最小単位なのだ。
一粒の水滴に、急にスポットライトが当たったような、思いがけない感じ。

おこがましくて言えなかった。
でも今なら言える、堂々と。私はフェミニストだ!と。

太陽光を映してキラキラと乱反射する川は、さらに雫を集め、水かさを増して大河となり、やがて海になる。この大河が海に流れ着いた時、どんな化学反応がおきるのだろうか?

 撮影:渋谷典子

 作品公式HPはこちら

カテゴリー:新作映画評・エッセイ / 『何を恐れる』完成記念キャンペーン / シリーズ

タグ:映画 / フェミニズム / 女とアート / 和田享子