2013.01.23 Wed
「十代の女の子に読める女性学の本がない」という声にこたえて、ずいぶん前にこんなブックレットをつくりました。データが古くなって、改訂版の予定もなく、版元は在庫を断裁処分すると言ってきましたので、残部をすべて引き取りました。それを無償で提供します。おひとり10冊まで。ただし送料はご負担ください。(着払い宅配便でお届けします。)
以下のアドレスに、住所、氏名、冊数を書いて申し込んで下さい。なくなり次第、〆切ります。現役の教員の方を歓迎します。WANの会員かどうかも書いてください。会員でなくてもさしあげますが、会員の方を優先します。この機会に会員になってくださったらもっとうれしいです。
tokyo-office@wan.or.jp
*ブックレットの受付を終了しております。たくさんのお問い合わせありがとうございました!
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『女の子に贈る生き方ハンドブックMy Future Design Book』定価680円
上野千鶴子監修・中野区女性会館編、学陽書房刊、1988年、改訂版1994年
この本を手にしたあなたへ
本書の説明を少しさせてください。1988年、まだ各地の女性センターが元気だった頃。東京都中野区の女性会館が館長の木下伸子さんの英断で、区内のすべての14歳の女の子に、このハンドブックを無料配布することを決めました。その頃は自治体もそういう企画に予算をつけるほど女性政策に積極的でした。中野区以外の女の子たちにも読んでもらえるように、学陽書房から同時発売しました。それから6年後、1994年に再びデータを新しく入れ替えて改訂版を発行し、2002年までに五刷りを重ねています。本書のさらなる改訂版を、と最新のデータに若い女性の助っ人を得て2003年に学陽書房から『女の子に贈る なりたい自分になれる本』を出しました。こちらは今でも入手できますが、原型となったブックレットは絶版になり、在庫を上野が引き取りました。
本書のもとはアメリカの女たちが十代の女の子のためにつくった人生設計の手引き Bingham et al., 1969, Choices: A Teen Woman’s Journal for Self-Awareness and Personal Planning. Santa Barbara, CA: Advocacy Press(選択—自分を知るためと人生設計のための十代の女の子の記録帳)からアイディアを得ています。この本はたいへん評判がよかったようで、その後、同じ出版社からMore Choicesという続編や、男の子向けにChallengesという本が出ています。アメリカらしい実践的で具体的な、記入式のガイダンス本です。わたしはこの本を短大の英文科のテキストで使い、その手ごたえを実感しました。いったんは翻訳しようかと思いましたが、アメリカと日本とではあまりに背景が違いすぎるので、日本版をつくる機会を待っていました。女性学の考え方を、中学生、高校生の女の子たちに知ってもらいたい、と思ったからです。
もとの本にも本書にも、生き方や価値観の押しつけはありません。あなたはどうしたいの?お金持ちになりたい?じゃあ、どうしたらお金もちになれるか、考えてみよう、どんなしごとにつけば、どれだけ稼げる?どうすればそのしごとに就ける?生活費はいくらかかって、貯金はどれだけできる?具体的に検討しよう…と提案しています。本書をグループで使うとお互いの個性がきわだち、自分と他人とに対する発見と驚きがあります。巻末に「チューターの方へ」という手引きがありますので、読んでみてください。
本書をお使いになるときは、どうぞデータを最新のものに入れ替えてください。そしてもしご自身で改訂版を出そうと思われたら・・・こんなにうれしいことはありません。本書のアイディアをどのようにもご自由にお使いくださいますように。
上野千鶴子
tokyo-office@wan.or.jp
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