女の本屋

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ブックトーク『理系女子的生き方のススメ』

2013.07.14 Sun

「理系女子的」な生き方とは?著者の美馬のゆりさんが語ります。

【講師】 美馬のゆり  (公立はこだて未来大学教授)
東京都生まれ。ハーバード大学大学院、東京大学大学院、電気通信大学大学院修了。
専門は学習科学、学習環境デザイン、科学コミュニケーション。
公立はこだて未来大学および日本科学未来館の設立計画策定に携わる。
2003年から06年まで日本未来科学館の副館長を務める。
著作:『不思議缶ネットワークの子どもたち』(ジャストシステム)、
『「未来の遊び」をデザインする』(東京大学出版会)など。

【かけはし役】 渋谷典子(NPO法人参画プラネット代表理事、NPO法人ウィメンズアクションネットワーク副理事長)

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日時   2013年6月29日(土)午後1時30分~3時(終了しました)
会場   名古屋市男女平等参画推進センター つながれっとNAGOYA  交流ラウンジ
参加費 無料
託児   あり 実費負担 インフォメーションでおたずねください。

申込み・問合せ  つながれっとNAGOYA インフォメーション
TEL:052-241-0311  FAX:052-241-0312
主催 指定管理者/特定非営利活動法人 参画プラネット
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参加者の感想1

ブックトーク『理系女子(リケジョ)的生き方のススメ 』に参加して
理系女子どころか数学が大の苦手、大学も国文科と文系まっしぐらの私にとって、美馬先生はまさに雲の上の方という印象でした。華々しい経歴、ポジティブでキラキラとした生き方… 『理系女子的生き方のススメ』を読んだ時には、美馬先生はきっとものすごく理知的で落ち着いた、浮世離れした方なのだろう、私なんかにこんな素晴らしい方を理解できるのだろうか、と一人勝手に想像しておりました。そんな感じで少し緊張しつつ、けれども「あんなに素晴らしい本を書いた方のお話を間近で聞ける!」という喜びも抱えつつ、今回ドキドキしながらブックトークに参加させていただきました。

初めてお会いした美馬先生は笑顔がとてもチャーミングな女性で、私が抱いていた『理系女子=ちょっぴり冷たそうな感じ』というイメージを覆す、優しくて親しみやすい印象の方でした。
そして、科学館の無い地域に、科学に興味の無い人まで巻き込んで理系の楽しさを知ってもらうにはどうしたら良いか、など、地域に根差した活動を精力的に行われておられる、とても心の温かい方でした。
今までは科学や数学といった教科そのものに苦手意識を持っていた私も、いつの間にか美馬先生の話に引き込まれ、論理的思考って素敵だな、身近にある科学のことをもっと知ってみたいな、という気持ちになりました。
とても有意義で素敵な時間になりました。

心に残った言葉はたくさんありましたが、
「ファンタジー、ビジョン、リアリティ」の魔法の呪文は私にとって衝撃的でした。
普段は、「私の力はこの位だから、この位が妥当だろう」という消去法、いわゆる『リアリティ』の部分だけで生き方を決めてきた私ですが、「もっと世の中がこうあってほしい!」「こんな社会が実現出来たら」といったファンタジーを起点とした生き方の選択の素晴らしさ、可能性、そういった考え方に感動しました。
美馬先生のように、とはいかないかもしれませんが、私なりのファンタジーを大切にしながら、それをビジョン化・リアル化できるような人生を歩んでいこうと感じます。
そして、未来のリケジョ達を育てるべく、二児の子育てにもまい進していきたいと思います。前向きな気持ちと新しい視点をプレゼントしていただいた、素晴らしいブックトークでした。ありがとうございました。(森智香子)

参加者の感想2

美馬のゆり氏ブックトーク『理系女子的生き方のススメ』レポート
2013年6月29日(土)に開催されたつながれっとまつり2013にて、美馬のゆり氏による『理系女子的生き方のススメ』のブックトークが行われた。『理系女子的生き方のススメ』は美馬氏が2012年10月に岩波ジュニア新書<知の航海>シリーズにて出版された著作である。
ブックトークは「リケジョ的」の説明もあった。この本のタイトルに含まれているのは「理系女子的(以下リケジョ的)」であって、「理系女子(以下リケジョ)」ではない。リケジョとは一般に、理科系を志している人や、理科系を背景にもち、仕事をしている人を指す。一方リケジョ的とは、理論的・論理的であることを指す。また、この「リケジョ的」という言葉は「理系的」と「女子的」をつなぎ合わせた言葉である。「理系的」は、何事にも興味を持ち分析し、深堀していくこと、また論理的に考える。「女子的」は、対称的な言葉に「理系男子」「文系女子」「文系男子」といったものがあるが、周囲の人々と問題や意見をシェアしながら新しいものを作り上げていく。よって、このリケジョ的生き方では、社会におけるあらゆる現象について、「なぜ、どうして」という視点を常に持つことが重要であるという。また、いやなことがあったとしても、そこにおもしろさをみつけることが大切であり、それは決して逃げではない。

今回のブックトークの終わりに、美馬氏は「魔法の呪文」を語った。「ファンタジー、ビジョン、リアリティ」である。まず理想の世界(ビジョン)をイマジネーションによって描き、語る。そして、描いたビジョン(ファンタジー)をいかに現実にするかを考えるとともに、他の人と共有できるようにし、行動する(リアリティ)。これは、自分たちに「これから何ができるか、何をしていくべきか」を考えるために「有効な枠組み」であるという。
『理系女子的生き方のススメ』は“文系の自分には関係のない本”ではなかった。また、消去法で将来を選ぶべきではないというお話が印象的であった。日常生活に溢れる疑問について考え、他者と共有しつつ自ら行動していくことが重要であると、今回のブックトークおよび『理系女子的生き方のススメ』から学んだ。
(名古屋市立大学人文社会学部 現代社会学科3年 藤田真由)

参加者の感想3

○『理系女子(リケジョ)的生き方のススメ』ブックトークレポート
1.理系女子的視点とは
美馬氏は、重要なのは自分が「何か変だな」と思って考えることだと述べている。「何か変だな」と思ったものを、何が変なのか、何故変なのか考えを深めていくことが理系女子的視点である。
日常的な疑問を深めていくとジェンダーへと繋がることがある。ブックトーク内では、その具体例としてある外国のキーホルダーが挙げられた。このキーホルダーの片面は、青地に白で男性の姿が描かれているものである。会場で、キーホルダーの男性が描かれている面のみを見せ、もう片面に何が描かれていると思うかという質問を行うと、赤地に女性の姿という意見があった。正解は、同じ青地に白で女性の姿が描かれているというものである。女性の色は赤、というイメージは日本など極一部の国にしか存在しない。これは何故なのか考え、深めていくことが、理系女子的視点の一つの現れ方である。

2.「理系女子的」とは
美馬氏の言う理系的とは、興味を持って論理的に考察、深く掘り進めることであり、理科や数学を勉強することではない。女子的とは、皆で集まってワイワイ楽しむ、仲良くなることとしている。「理系女子的」とは、他の分野も見ながら一つのことを深く掘り進めていき、それを皆でシェアして楽しむ生き方のことである。「的」という言葉が重要であり、理系女子的という生き方は理系の人々や女性に限らず、誰にでも求められている力である。

3.理系女子的生き方と函館
函館という街に科学館はないが、箱物としての科学館は必ずしも意味を持たない。例え科学館があっても、元々科学に興味がある人しか来ず、本当に来てほしい人が来ないからである。そこで、必要なのは研究者・科学者が外に出ていくことだとのお話があった。
それが形となったのがお祭りである。函館では、「はこだて国際科学祭」というイベントがその年ごとに「環境」「食」「健康」といったテーマで開催されている。こういったお祭りで人を巻き込み、興味のない人にもまず知ってもらうことが重要である。お祭りなどのイベントで、皆が集まり楽しむことも、「理系女子的」力の表れと考えることができる。

4.ファンタジー・ビジョン・リアリティ
美馬氏は実際に行動するということを重要視しており、著書『理系女子的生き方のススメ』の中でも「ファンタジー・ビジョン・リアリティ」という考え方を示している。
これは、想像力と創造力を用いて、理想の世界を描くこと(ファンタジー)、理想の世界を描きそれを語り他の人と共有すること(ビジョン)、その理想を現実に落とし込み行動を起こすこと(リアリティ)である。これもまた、興味を持って人を巻き込み行動するという理系女子的生き方を表していると言える。
(名古屋市立大学人文社会学部現代社会学科3年 鹿野詩織)






カテゴリー:ブックトーク / 理系女子的生き方のススメ

タグ:女性運動 / / フェミニズム / 女性学 / ブックトーク / 美馬のゆり / 『理系女子(リケジョ)的生き方のススメ 』

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