2014.07.30 Wed
名古屋の徳川美術館で、セクハラに声を上げた関係者に退職勧奨⇒審判申し立てへ
こんにちは。徳川美術館で女性職員に対してセクハラやパワハラが行われ、たまりかねた女性職員が声を上げました。すると被害者をかばってセクハラをやめるように訴えた副館長と管理部係長に対して、美術館側が退職勧奨を迫ってきたため、損害賠償の支払いを求めて名古屋地裁に労働審判を申し立てたという出来事を知りました。
以下、中日新聞や東京新聞、産経ニュースなどで報道されており、現場の学芸員らによる署名活動も始まっています。勇気をもって声をあげられた現場の皆さんに賛同するとともに、美術館をはじめあらゆる職場環境を変えていくきっかけになってほしいと願っております。
A-WAN 北原恵
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■「「徳川美術館部長セクハラ」、審判申し立て 本人否定、注意の副館長に退職勧奨」
『中日新聞』2014年6月12日、より、リード部分のみ抜粋。
尾張徳川家が誇る至宝を所蔵、公開する徳川美術館(名古屋市東区)の男性管理部長(六〇)から度重なるセクハラやパワハラを受けたとして、女性職員二人が十一日、美術館を運営する財団法人「徳川黎明会」(東京都豊島区、徳川義崇会長)を相手取って、計四百万円の損害賠償の支払いを求め、名古屋地裁に労働審判を申し立てた。管理部長は全否定している。
■「徳川美術館の管理部長がセクハラか 女性職員2人、労働審判申し立て」
『産経ニュース』2014年6月12日
退職勧奨を強引に進めようとする動きに対して、現場の学芸員たちは、退職勧奨の取り消しを求める署名活動を始めました。
————————(以下、change.orgより転載)——————————————————-
「徳川美術館 四辻秀紀氏・大田智恵氏への退職勧奨の取り消しを求めます。」
徳川美術館 副館長 四辻秀紀氏、また管理部係長大田智恵氏が2014年5月29日に公益財団法人徳川黎明会(以下財団とする)より退職勧奨を受けました。退職勧奨の理由は、「内部情報の漏洩と、それにより財団の名誉と信用をおとしめたこと」であると口頭で伝えられました。しかし、現在に至るまで両名への十分な事情聴取、および説明はなされておらず、両名は退職に値するような重大な問題行動は身に覚えがないとしてこれを拒否しました。その後7月14日に、財団は本人に説明なく四辻氏の副館長職を解き、館の代表の座を取り上げ、両名への退職勧奨は取り下げず現在に至っています。
四辻秀紀氏の勤続年数は30年を数え、企画情報部長・学芸部長を経て、2007年より副館長(学芸部長兼務)を務めています。高い評価を得た展覧会を数々担当し、論文も多数執筆するなど、研究者としての実績は美術史関係の学会でも大いに認められるところであり、後進の指導にも熱心にあたっています。
大田智恵氏は勤続25年で、2013年からは管理部係長として職務を全うしてきました。また、自身で茶道裏千家に入門し、2011年5月には専任講師(茶名)の免状をとり、徳川美術館で行う徳川茶会では茶道の知識に裏付けられた円滑な運営に尽力してきました。
両名ともに、徳川美術館のみならず地域の文化活動に多大な貢献をしてきたことは美術館内外で認められるところであり、四辻氏は徳川美術館の学芸代表として余人をもって代え難く、大田氏もまた、徳川美術館にとって欠かすことのできない人材です。
美術館の業務は多種多様であり、さまざまな職種のスタッフが全員一丸となって運営にあたってはじめて、貴重な美術品を適切に管理し、皆様に楽しんでいただける展覧会を開催することができます。この徳川美術館と美術品を守っていくためにも、一日も早く両名の退職勧奨の取り消しが叶うよう、一人でも多くの方のご署名を公益財団法人 徳川黎明会 会長 徳川義崇氏に提出したいと思います。
この趣旨にご賛同いただき、ご署名いただければ幸甚に存じます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
徳川美術館学芸員一同
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