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かなしみやにくしみでこころがひびわれそうな ちいさかったわたしとちいさいあなたへ『クレヨン王国のパトロール隊長』福永令三
2009.12.08 Tue
<生きる力の本棚>
Q.いくつぐらいのとき、どんなときにこの本をはじめてお読みになりましたか?
A.小学生のとき。大人の理不尽に、心が傷ついていたとき。Q.この本をすすめる理由や、この本に関する体験をおしえてください。
小学生のノブオは、明るいみんなの人気者。だけど、自分のぼうしを追いかけて交通事故にあってしまった妹への申し訳なさ、おかあさんがしんでしまったさびしさなど、どうしようもないつらさが石のように心にしずんでいるです。そんな気持ちをおしかくすノブオを、担任の先生は、なぜか「なまいき」だときらいます。
つらくて、くやしくて、かなしくて、ひびわれそうになったノブオの心は、偶然訪れたクレヨン王国でさまざまな人の憎しみや悲しみをしずめることで、すこしずつ元気をとりもどしていきます。
大人になった今は、憎しみや悲しみをおさえる責任は大人の側にあるとノブオにいってあげたい。子どものあなたににくしみをぶつけた先生を、あなたが大人になることで許そうとしなくていい。
だけど、それでも世の中にはやっぱり、そんな大人になれない大人がたくさんいて、くるしむちいさなノブオもたくさんいるから。
人はおなじ時にはおなじ顔しかできない。にくしみは、「ほかの時」、「ほかの場所」への想像力をしばりつけて自分の心を殺してしまう……。そんな悲しい関係にまきこまれてしまったときにはクレヨン王国へ逃げだそう。この本は男の子向けに書かれているけれど、女の子だってそれはおんなじ。人と人の間のにくしみもかなしみも、人と人の間でだけいやされる。その希望をどうか、すてないで。
他に、心が病気になってしまったお父さんと、両親の不安定な関係に苦しむ少年・ヨアキムの物語もおすすめです。
(chibigaeru)
カテゴリー:アドベント・カレンダー









