女の本屋

views

563

2009 わたし〈たち〉のイチオシ~絆とからだ篇

2010.01.12 Tue

B-WANの皆さんが選んだ2009年のイチオシ、今回は、「絆」と「からだ」にまつわるものをセレクトしてみました。こういうテーマって、世間一般でも注目されてる感じもしますが、ここはやっぱりB-WAN。ちょっと趣が違ったり。

絆は、人と人との「つながり」の一つですが、言い換えれば、「こころ」に関することかもしれません。「こころ」「からだ」。あくまで私のイメージではありますが、こういうジャンルって、オリコンやTOHANなどのベストセラーを見ていると、どことなく説明書的な、「どうしたらいいか教えてくれる」「導いてくれる」系の本が多いように思えます。

でも、そういう誰かに解説される「こころ」でも「からだ」でもない。社会との関係の中で「からだ」を見たり、こころとこころの絆を大事にしたり、とてもB-WANらしいな、と思います。「こころ」「からだ」に関する受身の本じゃなくって、攻めの本、って感じがします。

まずは、絆、に関する本を二冊。

アマゾンのサーバでエラーが起こっているかもしれません。一度ページを再読み込みしてみてください.

『幸子さんと私―ある母娘の症例』

B-WANの著者紹介で紹介されていたのと、母子関係に興味があったので読みました。「あの人嫌い」と口に出すことで、母からの束縛から解放されていく著者の描写に、自分と母との関係を重ね合わせました(moomin)

中山千夏さんからはこのご著書について、著者・編集者からの紹介ページにも記事もいただいております。
続きましては、吉本ばななの作品です。

アマゾンのサーバでエラーが起こっているかもしれません。一度ページを再読み込みしてみてください.

『彼女について』

切ない物語だ。切なくて美しい「成長」の物語。実はこの話の陰の主軸は、主人公の女性と母との関係にある(と思う)。結末を読んだ後にもう一度初めから読み直すと、さっき読んでいたはずの物語が、本当は全く違う物語であったことがわかるだろう。(tsering)

中山作品、吉本作品では女性と女性との絆について書かれておりますが、このような女同士の関係性に関する記事では、WANのエッセイ、田丸理砂さんの「女が女に憧れる話」もオススメです。

アマゾンのサーバでエラーが起こっているかもしれません。一度ページを再読み込みしてみてください.

『ケアの絆―自律神話を超えて』

わたしたち自身がいかに、個人は独立し自活していることが当然だという自律神話から自由ではないかを明らかにしてくれました。人にとって普遍的な依存の問題を正面から扱うフェミニズムの本が日本語訳され、大いに勉強になりました(moomin)

WANでは、日本におけるケアの問題に関して、木下衆さんによる記事「『ケアは女の仕事』?『市場は能力主義』?」も掲載しております。ケアの概念、現実における問題、今の日本でこそますます重要となってくることなのではないかと思います。

ケアも、絆も、やっぱり「こころ」の問題としてとても大事なイシューだと思います。そして、こちらは、「からだ」やセクシュアリティに関しても良書が並びます。帚木蓬生著の二冊はフィクション作品ですが、身体に関するグローバルで今日的な課題を扱う興味深い著作です。

アマゾンのサーバでエラーが起こっているかもしれません。一度ページを再読み込みしてみてください.

『「家族計画」への道―近代日本の生殖をめぐる政治』

中絶や避妊、水子供養といった生殖と女の身体をめぐる政治を歴史的に解明してくれる本。避妊をめぐる言説が特に面白かった(sen)。

アマゾンのサーバでエラーが起こっているかもしれません。一度ページを再読み込みしてみてください.

『“性”の分割線―近・現代日本のジェンダーと身体 (日本学叢書)』

近・現代日本における、身体をめぐる9人の論考が収められている。女性美、男性美、女らしさ、男らしさ……「性」の分割線がさまざまな角度から論じられる。なかでも、軍隊でのM検(男性器検査)や、男性の性欲と「男らしさ」の繋がりを論じたものが、とても興味深かった(horry)。

アマゾンのサーバでエラーが起こっているかもしれません。一度ページを再読み込みしてみてください.

『代理出産―生殖ビジネスと命の尊厳 (集英社新書 492B)』

アメリカの代理出産の過去と現状と問題点がわかりやすく整理されていて、一般の人にも読みやすいと思います。商業的代理出産も問題だと思うけど、日本のように母娘間の愛情を強調した代理出産というのも、どうなんだろう……。(ogn)

アマゾンのサーバでエラーが起こっているかもしれません。一度ページを再読み込みしてみてください.

『岩波講座哲学12 性/愛の哲学』

性や母性、ジェンダーの問題を哲学の視点から考える論文集。とくに、田村公江さんの「性の商品化――性の自己決定とは」には、「男女の対等性」をうたうことのワナにあらためて気付かされました(eureka)

アマゾンのサーバでエラーが起こっているかもしれません。一度ページを再読み込みしてみてください.

『アフリカの瞳 (講談社文庫)』

各章に聖書の詩篇のようなタイトルがつけられている。フィクションであるが、抗HIV薬の治験をめぐってアメリカの大企業が告発されている。エイズ問題、OAのあり方についても考えさせられる。大変感動的。

アマゾンのサーバでエラーが起こっているかもしれません。一度ページを再読み込みしてみてください.

『インターセックス』

インターセックスの5種類の医学的分類を理解できる。性の二分法・ヘテロ規範性に対する問題提起であり、サスペンスとしても興味深い。

女性の身体や性に関しては、今年はイブ・エンスラーの『ヴァギナモノローグス』も上演されました。こちらの演劇評記事「演劇評:『ヴァギナモノローグス』の御開帳」も併せてお楽しみください。
 
からだと、こころと、まさに脳の襞に埋め込まれたような常識をほじくりだす(!)ような、刺激的な本が揃いました。ぜひ手にとってみてください!(B-WAN副店長:A)








カテゴリー:2009 わたし〈たち〉のイチオシ / moomin

タグ:女同士 / 母娘関係