2010.01.25 Mon
著者はMtFのトランスジェンダー。本書執筆時は、フルタイムで女性として生活をするようになっていたが、まだ手術は受けておらず、著者の表現では「チン子をつけたまま」OLをしていた。「オカマ」を自称するのは、「性同一性障害」では困った病気を抱えているようで違和感、「ニューハーフ」じゃいかにもおミズの感じ、オカマと人に言われるのはイヤだけど、それでも一番ましな呼称だから。「男らしく」するのに苦労していた思春期男子時代から、「女の子っぽい男になればいいんだ」と発想転換した大学時代、サラリーマンとしての「ネクタイ暗黒時代」を経てトランスを決意、、、と、トランスをめぐる面白エピソード満載だが、私がとくに面白かったのは、新米女子として著者が女子世界を観察しているところ。
著者が発見した女子世界の「呪文」は、「そんなことないよ」。寝癖がついて髪がうまくまとまらないとき、「今日の髪、変でしょ~」と愚痴を言えば、必ず「そんなことないよ」「ぜんぜん大丈夫」とフォローしてくれる女子世界。これが男だと、「ひでぇなー、直してこいよ」になるところ。びみょーにぬるま湯的だけど、心地いい女の子コミュニティーが好き!という著者に、男子世界のタイヘンさをあらためて知る。だって「そんなことないぞ」なんてとっても不自然だもんね。(eureka)
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