【転載】
「NHKとメディアの『今』を考える会」では 3月22日の放送記念日に、NHKの政治報道ニュースの偏向を「アベチャンネルとな り果てるな!」と訴える集中行動と会長への申し入れを行いました。 4月22日には、「籾井会長時代の放送総局長・板野裕爾専務理事を任命するな」 という申し入れも行っています。
しかし、板野氏は4月25日にNH専務理事に就任してしましました。

そこで、6月25日(火)の経営委員会開催日に、板野裕爾専務理事の解任を求め る申し入れ文書を提出し、門前集会を開くことを予定しています。 要望書と案内チラシの詳細は貼り付けましたので ご覧ください。 個人賛同と団体賛同については、以下のようになっています。

▼今回も、趣旨に賛同いただける団体・個人を募り、名簿を添えて提出したいと 考えています。
団体賛同も個人賛同も、「NHKとメディアの『今』を考える会」共同代表の丹 原美穂さんのメールアドレスに、「板野解任要求書に賛同」のタイトルでお送り ください。募集期限は 6月23日(日)24時です。
丹原さんのアドレスは 
   t.miho@galaxy.ocn.ne.jp

▼個人賛同の場合は、所属団体あるいは職業、市民(在住地)・年金生活者など、 名簿に表記してよい情報を添えていただければ幸いです。 ぜひ多くの個人賛同・団体賛同と、門前集会へのご参加をお願いいたします。
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【6月25日 NHK門前集会】

■□■アベチャンネルNO! 板野専務理事ヤメロ! NHK門前集会■□■

2019 年6月25日(火)12:30~13:30 渋谷・NHK 放送センター西口 「雨天決行」
   リレートーク:メディア関係者、NHKOB・OG、元NHK経営委員など
   板野専務理事退任要求書提出(賛同団体・個人募集中)

4月25日 板野裕爾氏がNHK専務理事に就任しました。
籾井会長時代の専務理事・放送総局長で「会長の一番の理解者」と言われ、 官 邸 と太いパイプを持つとされる人物の〝異例の復活″〝、次期会長の伏線″ との観測もあります。

この人事は官邸の意向と言われ、当初上田会長も激しく抵抗したとの情報もあり、 多くの市民団体が任命撤回を求め、経営委員会では2 名の委員が棄権する中で議 決されました。

板野氏は籾井会長の下で、「クローズアップ現代」の国谷裕子キャスター降板を 主導し、安保法制関連報道では複数の番組の放送見送りを指示するなど、 NHK の政権寄り政治報道に大きな影響を及ぼした人物です。

私たちは、NHK 政治報道の「政府広報化」を一層進める危険を孕むこの人事に反 対し、板野氏に辞任を求め、上田会長・経営委員会に板野氏の解任を求めます。

主催: NHK とメディアの「今」を考える会
共同代表 今井潤(放送を語る会 mle45017@nifty.com)
     河野慎二(日本ジャーナリスト会議 kouno-ssac@nifty.com)
     丹原美穂(メディアを考える市民の会・ぎふ t.miho@galaxy.ocn.ne.jp)
連絡先: 小滝一志(放送を語る会 kkotaki@h4.dion.ne.jp)

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【NHKへの申入書】     2019年6月25日

NHK会長 上田良一様
NHK経営委員会 経営委員各位

籾井会長時代の放送総局長 板野裕爾専務理事の解任を求めます

NHKとメディアの「今」を考える会
(賛同団体・個人は本文のあとに記載しています)

 NHK上田良一会長、並びに経営委員会委員のみなさま。
 私たちは先般、4月22日に、「板野裕爾氏をNHK専務理事に任命する決定の撤 回を要求します」と題した文書をお届けし、板野裕爾氏の専務理事への任命を撤 回するよう多くの団体、個人とともに要求しました。
 籾井勝人会長時代に放送総局長だった人物を再び専務理事に復帰させる人事に対 しては、全国から抗議や批判がNHKに多数寄せられたと承知しています。
 しかし、4月25日、こうした声を顧慮することなく任命人事が強行されました。 まずこのことに強く抗議します。
 上田会長には板野専務理事を解任されるよう求めるとともに、経営委員会には、 任命の同意を見直し、板野氏を解任するよう会長に勧告するなどの措置をとられ るよう要求します。
 この要求は、次の二点の理由によります。

1) 板野氏に関するメディアの報道は、ほとんど一致して板野氏が官邸とパイ プを持つ人物だと評しました。「官邸と太いパイプを持ち、政権の意向を番組に 反映させたと言われる」(「毎日新聞」4月9日)「『官邸に近い人物』(NH K幹部)との評価がある」(「朝日新聞」4月10日)「板野氏が杉田和博官房副 長官と極めて親しいことは周知の事実」(雑誌『選択』19年5月号)などはその 代表的な例です。
こうした報道について、NHKは公式に否定していません。
政権とパイプを持つ、と一致して評される人物が執行部で重要な地位を占める事 態は、政府からの独立を求められるNHKにとって重大な障害となります。 また、一部報道に、この人事は板野氏が次期会長になるための布石だという指摘 があります。
もしそうであれば、かつて籾井会長を支えた人物がNHK会長になることになり、 論外です。板野氏が専務理事にとどまること自体が危険であり、警戒せざるをえ ません。

2)板野氏が執行部の一員であることによって、NHKの政治報道の政権広報的 な傾向がさらに強まる恐れあります。
板野氏が放送総局長を務めた2014年4月からの2年間の報道については、「政権の 意向を忖度したのではないか」などの厳しい批判が相次ぎました。
2014年の集団的自衛権閣議決定に関する報道では、磯崎陽輔首相補佐官、公明党 山口那津男代表、高村正彦自民党副総裁の政府与党側の3人をスタジオ生出演さ せるなど、政府与党の主張や動きを長時間伝えました。その一方、批判的な議論 や反対運動はほとんどとりあげないといった政府寄りの異様な報道に終始しました。 同じく14年の総選挙報道では、投票日前に予定されていたNHKスペシャル「子 どもの未来を救え~貧困の連鎖を断ち切るために~」の放送が選挙後に延期され ました。局内では、政権批判につながるのを恐れて延期した、という批判の声が ありました。
 2015年の安保法国会審議報道では、「わが国への攻撃の意思のない国も攻撃で きる」「核兵器の運搬も可能」「ISへの攻撃の後方支援も可能」といった法案 の重要な問題点の審議を伝えず、必ず安倍首相の答弁で終わる放送で、事実上政 権の宣伝に貢献しました。

 以上は板野放送総局長時代の一部の事例にすぎません。このような一連の報道姿 勢は、「NHKはアベチャンネル」という市民の批判を招き、2015年8月にはお よそ1000人の市民が放送センターを包囲し抗議の声を上げる、というNHKの歴 史上前代未聞の事態も生まれています。
 また、「クローズアップ現代」の国谷裕子キャスターを、現場がすべて続投を提 案していたにもかかわらず降板させたのは当時の板野放送総局長でした。

 理事会での板野氏の担務は、直接放送内容にかかわるものではない、とされて います。
 しかし、籾井会長時代の政治報道を主導した人物が執行部に存在することの影 響を懸念せざるを得ません。
 板野氏の専務理事就任は、NHKへの視聴者の期待と要求に逆行するものであり、 この人事でNHKの報道が政権広報の傾向を強めることになれば、視聴者の知る 権利をさらに侵害する結果を招きます。
 私たちは、以上の理由から板野専務理事の解任を強く求めるものです。