性暴力・セクシュアル・ハラスメントを告発する運動として世界に広まった#MeToo運動。
Times Up、もう性暴力の犠牲になり、差別を我慢する客体でいる時代に別れを告げ、私たちが主体として声を上げていこう、という声が上がりました。
日本でもフラワーデモが起き、みんなで声を上げれば何かが変わるチャンスが到来しています。
そんななか、セクシュアル・ハラスメントをなくす武器として活用してもらいたい、と思い、本書を刊行しました。
第一線で活躍する論者に寄稿いただき、セクシュアル・ハラスメントの歴史と構造を解き明かし、＃ MeToo時代に改めて浮かび上がった性暴力とセクシャル・ハラスメントの課題を共有し、世界各地で進む実効的なセクシャル・ハラスメント対策を紹介し、包括的な法制度改革を提案します。
これまで、セクシャル・ハラスメントや性暴力によって、これから社会に船出しようとする若い人たちがどれだけ傷つき、翼を折られてきたことでしょう。未来の喪失をこれ以上繰り返したくない。
本書を通じて私たちが今何を変えるべきかを明らかにして、セクシュアル・ハラスメントのない社会を実現するため、一緒に前に進むことができればと願います。
大学の副読本としても是非活用していただきたい。

■本書概要■

セクシュアル・ハラスメントの歴史と構造(角田由紀子)
職場におけるハラスメントの現状(井上久美枝)
大学でのセクシュアル・ハラスメント(北仲千里)
若い世代からの告発(山本和奈)
私たちの声を響かせること(小川たまか)
セクシュアル・ハラスメントをめぐる法的問題(浅倉むつ子・伊藤和子)
国際人権法と諸外国の取り組みから（申惠丰）
男たちの意識をどう変えるか (金子雅臣)
性的指向・性自認の位置付けと課題(神谷悠一)
脱セクシュアル・ハラスメント社会への提言（伊藤和子)