『「私はフェミニストじゃないけど」と前置きして「でも性差別には反対です」と言う人を見ると「いやそれフェミニストやん?」と思う。そんな私も、かつてはフェミニストと名乗ることに抵抗があった。
フェミニズムを専門的に学んだわけじゃないし、なによりフェミニストと名乗ると引かれたり、ネガティブなレッテル貼りをされるのが嫌だったからだ。
でも45歳のJJ(熟女)になった私は「オッス、おらフェミニスト!」と宣言している。
それは、過去の自分がフェミニズムに出会って救われたから。また、ひどいバッシングにも負けず「差別するな!
女にも人権をよこせ!」と闘ってくれた先輩たちのおかげで、今があると思うから。そのバトンを次世代につなぐために、胸を張ってフェミニストと名乗ることに決めたのだ。
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本書はこのような冒頭から始まります。
著者のアルテイシアさんはmixi日記の書籍化として10万部を超えるヒットとなったエッセイ集『59番目のプロポーズ キャリアとオタクの恋』でデビュー。
以来、「あるべき」から解放された先にある自分らしい結婚や恋愛(するも自由しないも自由)、女性が能動的に気持ちよくなるためのセックス、生きるために仕方なく融合してきた男社会への怒りと、そんな社会をおかしいと思っていいんだと教えてくれたフェミニズムについて等々、自身の人生を題材にしながら、その時その時の切実なテーマを笑いと共にコラムとして書き続けてきました。
最新刊となる本書で取り上げているのは下記のような内容です。
・報道ステーションの「いいね!報ステ」CM炎上問題
・『週刊少年ジャンプ』がいまだにジェンダーバイアスのある表現を掲載し続けていることについて
・女性ばかり身体的特徴を揶揄されたり「やれますよ」と上からジャッジされるのは何故か
・自殺した父と「有害な男らしさ」のこと
・59歳で変死した母の人生と男尊女卑について
・ツイッターのクソリプへの対処法
・男性お笑い芸人とミソジニー
巻末には田嶋陽子さんとの対談も収録。
上記のトピックスが田嶋先生との語らいで新たな視点を持って浮かびあがってきます。
ぜひお手に取って通してお読みいただけたら光栄です。
◆書誌データ
書名 :フェミニズムに出会って長生きしたくなった。
著者名:アルテイシア
出版社:幻冬舎文庫
頁数 :340頁
刊行日:2021/8/5
定価 :825円(税込)
2021.10.01 Fri
カテゴリー:著者・編集者からの紹介
タグ:本