母と子の未来へのまなざし――母子生活支援施設 カサ・デ・サンタマリアの25年

著者:宮下慧子

ヘウレーカ( 2021/11/11 )


母子生活支援施設を知ってますか?今もテレビでは母子寮と放送されていると執筆者の一人武藤敦士は憤りをあらわにしています。全国に221施設。その一つ横浜市にあるカサ・デ・サンタマリアの開設25年を記念して本書を上梓しました。母子生活支援施設は数も減り利用者も減少しています。
 一方でシングルマザーの貧困や子育ての困難が社会問題となっています。施設のハードもスタッフ体制も充実した社会資源が活用されないそのわけは何でしょう。私は「25年記念誌」を関係者に配る冊子ではなく、多くの人の視線や意見を集めるために本にしませんかと提案しました。それが本書です。
 前半は支援のリアルを職員が書き、後半は「母子生活支援施設と社会政策」(武藤敦士)「もう一つの『母親規範』を求めて」(横山登志子)そして私は「フェミニズムの杭を打ち込むー母子生活支援施設とフェミニストソーシャルワーク」を書きました。
 私は母子生活支援施設と社会とのズレを解明する糸口はフェミニズムのあると確信しています。