ゲスト:渡邊洋次郎さん
  (1975年、大阪府生まれ。介護福祉士。現在、依存症回復支援施設の職員。)
日時 2021年11月2日(火) 16時30分~18時00分
会場 桜花学園大学 嶋守研究室
制作 桜花学園大学・ウィメンズアクションネットワーク

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フェミニズム・リサーチ・ライブラリは、嶋守さやか(WAN会員)と渋谷典子(WAN理事)が「フェミニズムを次代へつなぐ」をテーマとした研究成果を動画で配信するものです。「この人に、この人の『フェミニズム』を語っていただきたい!」と嶋守・渋谷が熱望した方々のお話を、インタビュー形式でうかがっています。

第8回は、渡邊洋次郎さんをお招きして、『下手くそやけどなんとか生きてるねん。』(現代書館、2019年)について、「薬物・アルコール依存症から回復した当事者」としてお話いただきました。インタビューの前半のテーマは、薬物・アルコール依存症から回復した当事者の渡邊さんが、「今日一日を生き直していく」です。

薬物・アルコール依存症からの生き直しを可能とし続けてくれているのは、惜しみなく親切であり続けてくれた自助グループの支えがあったからだと渡邊さんは言います。自身のなかに抱えた底知れぬ寂しさや怒りをアルコールや薬物で紛らわし、他者を威嚇し、自身を傷つけずとも、ただ今、ここで生きる自分を互いに受容すること。生き直していく日々に、感謝できること。嘘をつかずとも、嘘をついてしまっていても、それが自分の正直であるということ。その軌跡が、渡邊さんの生き様なのだと、対談を通して、嶋守はそう感じました。

生きづらさを抱える人、自らを語り得ない子どもたち。その傍らで、生きることに喜びや苦しさを抱える私たちへのメッセージが、渡邊さんの語りにはたくさんあります。傾聴していただければ、とても嬉しいです。