
本書は、上野千鶴子が1993年4月から2011年3月までの間、東京大学で主宰していた東京大学文学部上野千鶴子ゼミ、通称「上野ゼミ」(そして、立命館大学大学院における「上野ゼミ」)について、かつてそのメンバーであった者たちの手によって、上野ゼミとはどのようなものであったのかについて書かれた本である。
ゼミにおいて学生たち―正確に言うと、上野ゼミに出入りしていた者は必ずしも学生とは限らない―は上野さんから一体どのような「教え」を受け、そして上野さんから「学んだもの」を自分の人生やキャリアのなかでどのように生かしていったのかについて述べられている。
本書の執筆者は、普段それぞれが、社会起業家や実践家、ジャーナリスト、研究者、教育者というように、別々のフィールドで活動している。
だが、その一方で、「情報生産」を担っているという点においては、執筆者全員が共通している。そしてもちろん、かつて上野ゼミ生であったということも。
それぞれがフィールドをもって日々の生活を営む「情報生産者」たちが、上野さんから何をどのように学び、その教えをどのように応用してきた/しているかについて、さらにどうやって情報生産者になっていったのかについて、本書では具体的に述べられている。
本書を通して、ひとりでも多くの情報生産者になりたい人が増えることを願う。
◆書誌データ
書名 :情報生産者になってみた――上野千鶴子に極意を学ぶ
著者名:上野ゼミ卒業生チーム
ペー数:288ページ
刊行日:2021/12/9
出版社:筑摩書房(ちくま新書)
定価 :968円(税込)
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