2011.04.04 Mon

私は今の自分にとくに不満というわけではないのですが、「温かい人」に憧れます。優しい人や親切といえる人は周りにも多いけれど、温かいと感じる人にはなかなか出会えません。「温かい」というのは生まれつきのような気がして、自分にはあまり備わっていないもの、だから人に求めるのだろうと考えていました。でも最近、自分の中に温かさを育てられないものかと思い始めています。
たとえば、冷え性で寒いならコタツにたよるより体温を上げる運動療法があるように、柔らかい、温かい感情を自分で育てる訓練（？）みたいなものはないのでしょうか。
温かい人にあまり出会わないのは、私がこれまで求めてなかったからか、出会っても分からなかったのか．．．。もしかしたら、自分の理想のイメージに過ぎず無いものを求めているのでしょうか。もう少し「温かさ」を自分の中に育てることができれば人の温かさに対する感受性も高まるかもしれません。よい方法を教えて下さい。

う～ん、生の、ある深みを生きておられる方のご質問ですね。
私になんと回答ができるか、苦しいところです。イエイエ、からかっているのではありませんよ。ご一緒に考えていけるといいのですが。
その前に、なにか方法とか訓練とかがないかとの問いには、あるのかもしれませんが、私は寡聞にして知りません。一時「感受性訓練」なるものがはやりましたが、これについてはここで充分に説明ができませんし、それがあなたのお望みかどうかも不明なので省略します。
あなたは「温かい人」「やさしい人」「親切な人」と分節されていますが、それらは一緒ではないとお思いなのですね。そこでこれだけ取り出してイメージするならば、ふんわり、ほんわか（語彙の不足にお許しを）な感じでしょうか。
基本的にそういう人はいるでしょうが、そのような資質を関係性のなかで考えてみたいと思います。つまり人は関係の中で、その人の持ち味が出るのではないか。
たとえば積極的なＡさんは、消極的なＢさんとの関係においては、積極的な自分を出すでしょう。またＢさんは自分より消極的なＣさんとでは、自分が積極的になるかもしれません。Ａさんよりさらに積極的なＤさんにＡさんは、若干消極的かもしれませんね。いささか図式的な表現ですが、その程度も置いておきましょう。
温かい人が、誰にでもどこでもそうであるというより、それぞれの関係のなかで、そうであったり、なかったりするようにも思います。手始めに、あなたが単純に「いいな」と思った人が居れば、その人との関係を意識して、 そのいい部分にかかわってみてはいかがでしょう。「なるほど、そうですか、ふんふん、 いいですねえ」等の言葉を挟み、あなたの言葉のエコーがあなたの中に堆積していくといいのですが。
それはただちに「温かさ」に繋がるかどうかはわかりませんが、きっといずれ。