女の本屋

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大和彩 『失職女子。~私がリストラされてから、生活保護を受給するまで』

2014.11.23 Sun

アマゾンのサーバでエラーが起こっているかもしれません。一度ページを再読み込みしてみてください. 初めまして。大和彩と申します。このたび、『失職女子。~私がリストラされてから、生活保護を受給するまで』という著作を発表しました。本書は、海外の大学を卒業後、日本で会社員として働いてきた私が、生活保護を受給するに至った経緯を綴ったものです。

私は子どものころより両親から虐待を受けてきました。ですので、当時から、「大学を卒業したら職を得て、自分の稼ぎで死ぬまで自活すること」を目標として生きてきました。目標どおり大学は卒業できましたが、その後、職の安定はなかなか得られませんでした。

派遣社員、契約社員、正社員などあらゆる形態で働いてきましたが、どの現場にも30代以上の女性が数えるほどしか在籍していないことには、新人のころから気づいていました。朝の満員通勤電車では、乗客のほとんどが男性です。数少ない女性の乗客は、20代~30代のみ。それ以上の年代の女性が通勤しているのを見かけません。海外で20年近く暮らしたせいかもしれませんが、そんな風景が私には奇妙に思えて仕方ありませんでした。

「20代で就職した女性たちは、40代以上の年齢に到達したら、一体どこにいくのだろう?」

けれど、女性がいないということは、どの仕事の現場でも一切問題とすらされておらず、それも私は奇妙に思っていました。

いつしか自分も、職場で見かける女性の最年長グループである30代後半に達しました。

「定年まで継続して働くには、正社員のポジションを得るのが最適だろう」との考えのもと、必死の転職活動の末つかんだ正社員の職はあっけなくリストラになり、その後に得た長期前提の契約社員の仕事も、3カ月で突然終了しました。

雇用保険が出ないと分かった瞬間、その月のお家賃が払えないことを悟り、全身から血がザアっと抜けていくような感覚を覚えました。その足でハローワークと役所をハシゴして、なんとか自殺しなくて済む方法はないかと模索しました。

同日開設したブログに、自分の状況と気絶寸前な心情を書いていたところ、それを目にした方にウェブで連載しないかとお声掛けいただいたことが、今回の出版につながりました。

9月末の本書出版以降、さまざまな反響をネット上で拝見しています。お褒めの言葉もあれば、罵詈雑言としか形容できないようなコメントもありますが、ネガティブなコメントのほとんどが定型化されていることが気になっています。ほとんどが昭和時代から存在するものすごく使い古されたクリシェばかりなのです。

「謙虚さ・感謝の心が足りない」

「風俗で働け」

「結婚すれば」

「生活保護なんて甘え」

「がんばりが足りない」

以上のようなコメントを拝見して私は思うのです。

もし本書が『失職女子。』ではなく『失職男子。』だったとしても、同じような反響になるのだろうか?と。

この稿をお読みのみなさんはいかがお考えでしょうか。ぜひ本書に手にとっていただき、お考えを聞かせていただければ幸いです。(著者 大和彩)








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タグ:仕事・雇用 / 貧困・福祉 / / 生活保護 / 失業 / 非正規労働