笑いながらジェンダー観をアップデートできる！

「何でもセクハラといわれると何もいえなくなっちゃう」「一緒に温泉に行きたいな、ナンチャッテ(*^_^*)」－－ジェンダーギャップ指数146位中116位の日本では、こんな発言は日常茶飯事。飲み会では体型をネタにされ、結婚してからは古典的な男女観を押し付けられ。企業に目を移しても経営陣が全員男性というのも「あるある」です。
　そんな現代日本で育ってきた私たちは、知らず知らずのうちに偏ったジェンダー観が刷り込まれて、意図せずにした発言がだれかを傷つけているかもしれません。本書はジェンダー意識のアップデートにぴったりの一冊です。
　かくいうわたしもアルテイシアさんの本で、自分がいかに無自覚に他人を傷付けていたかに気づきました。友人の赤ちゃんへの発言や、「将来沖縄に住みたいな」などは、「私も言ってたわ……」と赤面モノでした。ですが、本書で気付きをもらい、以降は自信を持って発言できるようにもなりました。
　フェミニズムやジェンダーというのは決して女性だけの権利擁護ではなく、「私がありのまま私らしく生きる思想」という考え方にも共感を覚えました。
　とはいえ、これまで接点のなかった人にはとっつきにくいテーマかもしれませんが、著者のアルテイシアさんは「ひょうきんフェミニスト」として、執筆はもちろん、最近は中高校での講演などでも活躍中。笑いたっぷりの文章が何より魅力的です。なので女性はもちろん、男性にもおすすめ。身近な男性にもさりげなく本書を渡してみてください。
　本書を読んで、みんなで膝パーカッションしませんか。