
いまのフェミニズムに響く言葉
本書は、大正・昭和初期に女性として初めて法律の世界に飛び込み、ジャーナリストとして活躍した北村兼子と、社会を科学的に分析しながら人間の平等をもとめ続けた山川菊栄を、いまのフェミニズムのイシューに沿って紹介する本です。北村兼子は本人の著作を中心に掲載し、山川菊栄は現代のフェミニストたちによるエッセイや論考、座談会などで構成しています。北村兼子はあまり知名度が高くない人ですが、その文章のおもしろさが最大の魅力。ユーモアと明晰な視点、そしてなによりフェミニズムにあふれていて、読むほどに胸があつくなります。
ふたりに接点はありませんでしたが、その先進性と切れ味鋭い言葉など共通点は多くみられます。同時代の女性たちとさかんに議論を交わし、考えや立場が違う相手を批判したり理解しようと努めたりしたことも似ています。ときに立ち止まって時代を見定め、誤りがあれば正し、変わっていった姿は、先行き不安なこの先を照らしてくれるようです。
セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ、反軍拡、参政、立法など、フェミニズムの今日的イシューに着目しながら、この行き詰った社会を突き破るためのヒントを、ふたりの言葉から探してみてください。
寄稿や座談会などにご参加くださったのは、次の多彩なみなさんです。ぜひごご注目ください。――大橋由香子、macca、山田(樋浦)敬子、山口順子、佐藤礼次、林葉子、豊田真穂、趙書心、高柳聡子、宋連玉、柚木麻子、松尾亜紀子(以上、敬称略)。
◆書誌データ
書名 :未来からきたフェミニスト 北村兼子と山川菊栄
著者 :花束書房編
頁数 :336頁
刊行日:2023/5/31
出版社:花束書房
定価 :2530円(税込)
『
慰安婦
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