2011.12.29 Thu
アマゾンのサーバでエラーが起こっているかもしれません。一度ページを再読み込みしてみてください. 赤毛のアン』の訳者として知られる村岡花子(1893~1968)の生涯を孫娘が描いた評伝。
貧しいクリスチャン家庭に育ち、ミッション系の女学校の給費生として英語教育を受けた村岡花子は、作家活動を続けながら女学校の教師を経て、キリスト教関係の出版社の編集者となる。彼女は日本にはないティーンエイジャー向けの良質の文学を提供したいと思っていた。本書では花子の夫との出会い、『赤毛のアン』の翻訳の経緯、そして彼女が積極的に係わった婦人参政権運動などについても詳述されている。読んでみるとわかるが、花子の人生は実はかなり波乱万丈である。
本書からは戦前のミッション系女学校についても教えられるところが多かった。また夫との恋愛も熱烈ではあったが、女たちとの結びつきの何と豊かなことか。矢島楫子、市川房江、望月百合子なども花子と交遊のあった女性たちである。そしてとりわけ村岡花子と柳原燁子(白蓮)との生涯を亘っての強いつながりには心打たれた。
かつて『赤毛のアン』の読者だったあなたに是非読んでもらいたい。(lita)