介護職の労働環境の質を上げれば、介護を受ける人のケアの質も上がります!

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私たちは長年働いてきたホームヘルパー3人組です。ホームヘルパーは待機時間、移動時間などは給料に反映されないため、これまで働いてきた20年間の移動や待機時間などを計算すると、労働時間の5分の1にあたる約4年間はただ働きに相当します。
2019年11月、私たちは介護保険の制度的欠陥ゆえに介護労働の現場では労働基準法が遵守されないことが常態化しているにもかかわらず、国は適切な規制権限の行使を怠ったとして、東京地裁に本件国家賠償請求訴訟を提起しました。現在、東京高裁で争っているところです。本件訴訟は、大手各新聞をはじめ週刊誌、介護関係業界誌など多くの媒体に取り上げられ、注目を集めています。
私たちは単に、自分たちの待遇改善を訴えているだけではなく、このままではヘルパーという仕事が消滅してしまい、そのことによって介護を受けられなくなる「介護難民」が膨大に生まれてしまうことを懸念しているからです。「若者が選ぶ価値のある職業にしなければヘルパーは消滅する」、つまりこの裁判は訪問介護の持続性を問うものです。
在宅介護の登録型ヘルパーは、社会的介護の主な担い手であるにも関わらず、正当な評価はされず不当な労働条件のまま放置されてきました。サービス提供分しか賃金が支払われない「出来高払い」制度、サービス提供時間と区別して移動、待機、キャンセル、記録などの必ず発生する時間が別建てで介護報酬の対象とされず、タダ働きとなっています。「生活援助」に関する不当に低い報酬額の設定。そして、国は、「すべてが包括して介護報酬に含まれている」としながら一度たりともホームヘルパーの労働実態について調査をしてきませんでした。最低賃金以上の賃金にするために財源確保をした痕跡もなく、労働基準法違反の状態に通達を出すだけで、改善のための具体的対応をとることは全くありませんでした。
3年ごとの介護報酬改定を経て、介護保険制度は、家事・生活援助を切り捨て身体介護も含めて1時間に満たないサービスを増やし、「効率化、生産性」の名のもとに労働を細切れ化することで、介護労働者のみならずサービス利用者及び家族の人権侵害を続けてきました。その結果が、求人倍率15倍、有資格者の離職が後を立たない人手不足の現状です。事業所の倒産・閉所、廃業が止まらず、業界団体までも、公定価格の引き上げを含む介護報酬の大幅な賃上げなくして介護崩壊を招きかねないことを総力で要請するまでになっています。
超高齢化社会で介護労働者やサービス利用者の人権が守られる介護を実現するには、「ケア」を公共財とし、優先課題として国費を投入するとともに、ケアに携わる労働者を保護することが必要不可欠です。国が「労働者保護」について責任を負わないという結論になる、地裁判決を見直し、高等裁判所が公正かつ慎重な審議に基づいて判決を出すことを求めます。
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【呼びかけ】ホームへルパー国賠裁判を支援する会
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