2012.02.07 Tue
アマゾンのサーバでエラーが起こっているかもしれません。一度ページを再読み込みしてみてください. 『女性の権利の擁護』は、18世紀末のイギリスで出版された「フェミニズムの古典」と呼ばれる書物です。書いたのは、当時32歳のメアリ・ウルストンクラフト。
日本語訳(白井堯子訳)は今でも手に入りますが、かなりの分量であるのに加えて、原文自体が散漫で意味がとりづらいため、最初の数ページだけ読んで挫折した方も多いかもしれません。
『女性の権利を擁護する』は、そんなウルストンクラフトの『女性の権利の擁護』を、もっと現代の読者にとってわかりやすく紹介しようとした本です。
切り口となる問いは3つ。ウルストンクラフトがこの書物のなかで問題にした「女性」とは誰か?「女性の権利」とは何か?そして、彼女はどのようにしてこの権利を「擁護」しようとしたのか?
「古典」なんて面倒くさい、と思われる方もいるでしょう。でも、著名な男性思想家たちの女性観をバッサバッサと斬っていく議論の鮮やかさ、「ウルストンクラフトのジレンマ」と呼ばれる「差異」と「平等」のあいだの矛盾の引き受け方、女性読者を叱咤激励しながら男性読者を説得していくレトリックの巧みさなど、『女性の権利の擁護』から現代のフェミニズムが学ぶところは少なくないはずです。
200年以上にもわたって世界中の人びとに読み継がれてきたこの「古典」の面白さを、本書をつうじてぜひ感じ取っていただければと思います。(著者 梅垣千尋)
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