
パリテとフェミニズムと
50代でひとり生きる私が安心して暮らせる社会を作ってほしいと願うことから始まるこの本は、地方議会とパリテとフェミニズムがテーマです。
女性議員が増えれば女性の暮らしを良くする政治が行われていくのでは?と期待し、では女性議員はどうしたら増やせるんだろう?と、1ライターである私が疑問を抱き、20年以上も男女同数、もしくは女性が男性より多い議員構成の議会が続く神奈川県・大磯町を1年に渡って訪ねました。
そこで現職議員や元議員の方々に話を伺い、さらに町を歩いて様々な人と出会い、おしゃべりをします。すると見えてきたのは「大磯のことは大磯で決める」と自分の声を持って発言する女性たちや、「町は私が作る」と自分たちでどんどん始める女性たち。私には出来る――と女性たちは堂々胸を張って言い、しかも町の議会へも注目度が高く、議会と町の女性たちがしっかりつながっている姿でした。パリテが20年以上続く町では、女性たちが自分の言葉を持ち、議会の親和性がとても高いことが分かりました。
そしてパリテ20年歴の議会はフェアな話し合いが深く為され、年功序列の考え方がなく、情報公開が進んでいます。他の地域の議員にも取材をすると、大磯町議会の在り方を「それが民主主義だ」と言われ、私はハッとしました。
さらに、町の女性たちと会って話をすることで、私自身を振り返ることにもなりました。ずっとひとりで生きてきた私は自分の人生に、これまでまるっとダメ出しばかりしてきた。でも、ダメ出しする基準が、考え方が間違えていて、私は何もダメじゃなかったんじゃないか? そう気が付いたときに、もしやこれがフェミニズム?なのかと人生で初めてフェミニズムを実感します。
2021年夏に私は「時給はいつも最低賃金、これって私のせいですか? 国会議員に聞いてみた。」という本を出しました。それまでバイトとライターの両輪で生活を支えてきた私がコロナ禍でバイトをクビに。生活に行き詰った土俵際で、初めて政治を考えた本でした。そこからさらに1歩踏み出し、シングル中高年の女性の暮らしと政治とフェミズムが私の中でつながり、自尊心を大事にし、自らの声を持ち、その声をあげるとのたいせつさを知ったのです。
◆書誌データ
書名 :50代で一足遅れてフェミニズムを知った私がひとりで安心して暮らしていくために考えた身近な政治のこと
著者 :和田靜香
頁数 :248頁
刊行日:2023/9/27
出版社:左右社
定価 :1980円(税込)
慰安婦
貧困・福祉
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身体・健康
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