『『資料集 50年目の生理用品:東北大学生理用品無料設置要求運動の記録 1973-1976』

生理は恥ずかしいもの、隠すべきものというタブーを超えて、身体の自己決定について声を上げたキャンパスリブ運動の記録


21世紀に入って、「生理の貧困」という言葉が登場しますが、本来この言葉は閉経した人も含め、生理のある身体も持つ人すべてにかかわるものであり、健康で衛生的な生活へアクセスできる権利、身体の自己決定権につながっているものです。
しかし、「貧困」という言葉が経済的格差のみに着目され、貧困状態にある人への配布は黙認するものの、「無料設置」となると「女のたしなみなのに」といった女性同士に分断がもちこまれることも少なくありません。
そんな現状にもやもやっとしながら横目で見ていた50年前の女子学生の私たちが、あるきっかけで半世紀の間段ボールの中で眠っていた当時のビラや資料をまとめることになりました。作業を進める中で、生理用品の無料設置は困っている誰かの問題ではなく、私たち自身の問題であるという認識を社会に再提起する意味は大きいと確信するようになりました。 

50年前の運動の記録ですが、半世紀を経て変わってきたことと同時にあまりにも変わらないことの多さにも気づかれると思います。
この運動は、「日本ウーマンリブ史Ⅱ,Ⅲ」にキャンパスリブとして一部が紹介されていますが、インターネットもSNSをなかった時代に女たちはどうやってつながっていったのか。東北の地で、学内向けに行われていた運動が国内のリブグループや大学につながっていったのはリブニュース「この道ひとすじ」に紹介されたことだったということも記憶の中から掘り起こすことができました。シスターフッドに支えられたネットワークはいつの時代も力です。

第1章 生理用品無料設置要求運動のはじまり
第2章 活動年表
第3章 配布ビラ
第4章 マスコミ報道とその対応
第5章 おんな通信(創刊号—9号)
第6章 おんな通信 10号 「50年目のおんな通信」


◆書誌データ
書名 :資料集 50年目の生理用品 東北大学生理用品無料設置要求運動の記録 1973-1976
著者 :生理用品む料設置要求実行委員会
頁数 :299頁
刊行日:2025/01/25
出版社:自費出版
定価 :1870円(税込)
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資料集 50年目の生理用品: 東北大学 生理用品無料設置要求運動の記録 1973-1976

著者:生理用品む料設置要求実行委員会

Independently published( 2025/01/22 )