本書は、2024年8月4日に開催された、ジェンダー法政策研究所Gender and Legal Policy Center(GELEPOC)による、第4回公開シンポジウム「産む権利/産まない権利――リプロダクティブ・ライツの現在」の成果に、増補・特別寄稿を加え、書籍化したものです。

リプロダクティブ・ライツをめぐる最新の動向にくわえ、多様な法的・政治的・歴史的考察から、「産む権利/産まない権利」の現在地を考えます。


「身体と、法・政治の〈いま・ここ〉をひもとく

日本において、「産むこと/産まないこと」をめぐる「性と生殖の自己決定権(リプロダクティブ・ライツ)」は、どう法律・政治過程と関わり合ってきたのか――リプロダクティブ・ライツを否認する条項の存在、避妊ピルや中絶薬の普及の遅れなどが政治的課題として意識され、生殖補助医療への法的対応も迫られている今、あらためて、「個人的なこと」が「政治的なこと」であるという原点に立ち戻る。

性と生殖の権利の意義と歴史、国内外の制度の理解を通して、〈これから〉を考える」


◆著者◆
【編者】
ジェンダー法政策研究所(GELEPOC)
辻村みよ子(弁護士・東北大学名誉教授)
糠塚康江(東北大学名誉教授)
大山礼子(駒澤大学名誉教授)
二宮周平(立命館大学名誉教授)

【執筆者】
岩本美砂子(三重大学名誉教授)
林陽子(弁護士・元国連女性差別撤廃委員会委員長)
建石真公子(法政大学名誉教授)
石黒大貴(弁護士)
松原洋子(立命館大学大学院特任教授)
長村さと子(一般社団法人こどまっぷ代表理事)
小竹聡(拓殖大学教授)
齊藤笑美子(GELEPOC フランス支部長)

◆目次◆
はしがき(辻村みよ子)

Ⅰ部 リプロダクティブ・ライツの意義と可能性
企画趣旨(糠塚康江)
1 政治から見る日本のリプロダクティブ・ライツ――優生保護法を巡る政治過程(岩本美砂子)
2 リプロダクティブ・ヘルス・ライツに対する国際人権法からのアプローチ
(林陽子)
3 憲法上の権利としてのリプロダクティブ・ライツの保護――「身体」に関する自由と尊厳(建石真公子)

Ⅱ部 リプロダクティブ・ライツをめぐる日本のアクチュアルな問題
企画趣旨(二宮周平)
1 母になることを強制されないこと――フランス視察と内密出産/匿名出産(石黒大貴)
2 〈不良な子孫〉の出生防止と人権侵害――優生保護法の歴史から(松原洋子)
3 妊娠/出産を望む未婚女性たちと日本の現状(長村さと子)

Ⅲ リプロダクティブ・ライツと国際情勢
1 Dobbs判決の舞台裏(小竹聡)
2 「中絶の自由」が憲法に書き込まれた日――2024年国際女性の日(齊藤笑美子)

あとがき(大山礼子)

◆書誌データ◆
書名:産む権利/産まない権利――リプロダクティブ・ライツの現在
編者:ジェンダー法政策研究所・辻村みよ子・糠塚康江・大山礼子・二宮周平
頁数:256頁
刊行日:2025年5月25日
出版社:花伝社
定価:1980円(税込み)

産む権利/産まない権利:リプロダクティブ・ライツの現在

著者:ジェンダー法政策研究所

花伝社( 2025/05/26 )