みなさん、こんにちは。
ご無沙汰しております。お元気でしたか？

今年も、8月2日（土）にアムステルダムで開催されたプライドパレードを見に行ってきました。

運河を舞台に繰り広げられるこのパレードは、世界中から多くの人が集まる、まさに「水の都」ならではのお祭りです。

昨年は目的地をよく考えず歩き回って辿り着いた場所から見ていたのですが、運河から遠くてパレードがよく見えず…。
今年はしっかりルートを調べて、パレードが通る橋の上を早めに確保しました。

当日は、友人のZ君と合流予定だったので、私の現在地をメッセージで送信。
橋の上はすでに満員に近く、大勢の人たちが思い思いの装いで集まっていました。

私の左隣には、ピンクのワンピースとカラフルな花のカチューシャを身につけた年配のオランダ人女性と、若いアジア系の男性が。

話しかけてみると、女性は「プライドは毎年見に来ているのよ！」と満面の笑み。彼女の姿からも、この日を心から楽しみにしていたことが伝わってきます。

隣の若い男性は、なんと日本人のバックパッカーH君。
カナダのトロントからヨーロッパへ移動してきたばかりで、トロントのプライドパレードにも参加したそうです。「すごかったですよ。全裸の人もいて、びっくりしました」と少し照れ笑い。
アムステルダムでも、きっと彼の記憶に残る光景が待っているでしょう。

私が場所取りをしていたのは、パレードの終点近くだったので、12時の開始を過ぎてもまだボートはやって来ませんでした。
そのうちZ君が到着し、さっそくH君を紹介。
Z君は日本に留学していた経験もあり、日本語も少し話せるので、H君は興味津々にいろいろ質問していました。

今度は右隣のグループのオランダ人女性が話しかけてくれて、「あなたたちはどこから来たの？」とにこやかに聞いてくれました。
私たちがそれぞれ答えると、彼女たちは「マーストリヒトから来たの」と教えてくれました。

アムステルダムから電車で2時間半〜3時間ほどかかる、オランダ南端の街からの長旅。
「毎年来ているのよ。この日は街全体がハッピーで、みんなお祭り騒ぎ。大好きなの。これまで一度も暴力事件なんて聞いたことがないの」と、彼女は穏やかに語ってくれました。
その言葉に、このイベントがただのパーティーではなく、安心して「ありのまま」でいられる場であることを感じました。

彼女は、持参していた南オランダ地方のケーキやチーズを分けてくれました。
初対面でも自然に共有するこのオープンさと温かさは、素敵だなと思いました。

開始から1時間半ほど経って、ついに最初のボートが運河に登場！

なんと、フライボードという水圧で空を飛ぶ装置に乗ったパフォーマーが、私たちと同じ目線の高さまで空中に舞い上がり、歓声と拍手が巻き起こりました。H君は「うわ、すげー！」と大興奮。

その後も、音楽と歓声が鳴り響きながら、色とりどりのボートが続々とやってきます。

中でも印象的だったのは、オランダ軍のボート。
右隣の女性は、「軍隊という保守的な場にいながら、この場に出てくるのは勇気がいること。尊敬するわ」と話してくれました。

その後も、警察官、裁判官、消防士、医療従事者など、社会の中で「公的」とされる立場の人たちのフロートが続き、ありとあらゆる人々が「自分らしさ」を祝福されている光景に、胸が熱くなりました。

このパレードが終わると、オランダの夏もそろそろ終わりを迎える気配がしてきます。

つい先日まで22時過ぎまで明るかった空も、今は日没が21時半頃に。これからどんどん日が短くなり、あの長い冬がまたやってきます。


昨年の12月は、なんと22日間も太陽が出なかったオランダ。
日照不足のせいか、気分はどんより、足の裏の皮膚までボロボロになるという、なかなか厳しい日々でした。
今年はその教訓をいかし、今のうちから太陽を浴びて、ビタミンDを意識的に摂取して冬に備えています（効果のほどは不明ですが…！）。


日本はまだまだ暑さが厳しいようですね。
どうぞみなさんも、体調に気をつけて、無理のない夏をお過ごしください。

今回もお読みいただき、ありがとうございました。

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Sami
1973年生まれ。Feminist、非典型所属者。
WANオランダ特派員
群馬→東京→アメリカ・ノースカロライナ州→東京→2021年11月にオランダ移住（いまここ）
大事なもの：Freedom of Choice
座右の銘：実践あるのみ
猫と幸せに生きています。
自分の居心地のいい場所は自分で作ります。
どうぞご一緒に。
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