元町映画館のポップ
10月25日に劇場公開が始まった映画「女性の休日」。その初回の上映後、元町映画館ではアフタートーク会が開かれました。映画館が「“モヤモヤ”を持ち寄ろう!みんなで語り合う『女性の休日』トークイベント」として広報し、当日映画を観た方の約半数がトーク会の方にも来られました。
今回企画したのは、映画の内容や背景について誰かが解説をするのを聞くというのではなく、その場にいる全員で思ったことを言葉にしてみるのが目的の集まりです。
顔ぶれとしては16名中、男性が2名。50代、60代が多数で、続いて多かったのが40代。最高齢の方が78歳、最年少が20歳でした。
話題になっているのを知っていた人、とりあえず映画のタイトルに惹かれた人、偶然通りかかって看板が目に入り、これは観なくちゃと入った人(男性の方でした)、配給元の方が映画について熱く語る映像を観てこの人のお勧めならと足を運んだ人、と鑑賞に至ったきっかけはさまざま。でも映画の内容を「遠い国の遠い昔の話」として受けとめた人は誰もおらず、1975年のアイスランドと2025年現在の日本、あるいはその間に変わったことと変わらなかったことに思いをはせた点は同じでした。
よく話題になるジェンダーギャップ指数でジェンダー平等のトップを走るアイスランドもかつては日本と変わらない状況だったことへの驚きや今の姿が社会運動の成果として勝ち取ったものであることへの納得。女性だけがお茶くみを命じられたり、あたりまえのようにセクハラに遭ったり、不当な処遇に甘んじたりといった職場の中の不平等は、改善された部分がある一方で、今なお日常的に理不尽な目に遭っているという方もいます。映画の中で描かれる50年前のアイスランドの性別分業のあり方が、自分の実家で見られる光景そのものだという感想が50代からも20代からも聞かれる日本の現実をどう考えるべきか。男性がいまだに家事・育児に時間を割かず、働く女性が職場に対しても家族に対しても罪悪感を抱かざるを得ない状況は、男性の過剰な働き方を標準とする社会のあり方によってもたらされているともいえます。
1時間半語り合っただけでモヤモヤが解消するわけではないけれど、輪になって思いを口に出し、言葉が往復する時間を共有することで、また一歩を踏み出せるような気持ちにはなれますよ。(中谷文美)
当日の詳しいレポートはこちらでも読めます。
この映画に関連して進行中の「女性の休日」プロジェクトでは、映画の感想や皆さんのモヤモヤを募集中。こちらのフォームからどうぞ。
「女性の休日」プロジェクト特設サイトはこちら。
【映画『女性の休日』】
監督:パメラ・ホーガン
出演:ヴィグディス・フィンボガドッティル、グズルン・エルレンズドッティル、アウグスタ・ソルケルスドッティル他
エンドクレジットソング:ビョーク
2024年/アイスランド・アメリカ/アイスランド語・英語/71分/原題:The Day Iceland Stood Still
後援:アイスランド大使館
提供・配給:kinologue
公式サイト:kinologue.com/wdayoff
公式SNS
X: @wdayoff_1975 Instagram: @shw_wdo Facebook:@shousewives.wdayoff
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