

詳細はhttps://www.scj.go.jp/ja/event/2025/386-s-1221.html
学術フォーラム「ケアの多様性・包摂性・公平性・持続可能性」
学術フォーラム「ケアの多様性・包摂性・公平性・持続可能性」
少子高齢・人口減少社会が急速に進む日本では、これまでの制度や単一の学問の力では解決困難な複雑な問題が急増している。健康・生活科学委員会・臨床医学委員会合同共生社会に向けたケアサイエンス分科会が提案する「ケアサイエンス」とは、ケアに関わる複雑な問題の根拠を解明するだけでなく、多くの学問分野の連携のもと、あらゆる市民、行政、企業等と連携・協働して、〈新しいケア〉とケアを核とする社会モデルのあり方を模索し、共につくり上げていく学術と教育が連動する活動を意味する。この活動を通して、人々の暮らしにケアサイエンスとその成果を根づかせることで実現する相互支援社会を「ケア共同社会」と呼び、その構築を目標として掲げている。
本フォーラムは、誰もがケアし、ケアされるケア共同社会の実現に向けて、1)ケアサイエンスとケアの担い手について、2)ケア・イノベーションについて、3)ケアのあり方について、をそれぞれのテーマとする3回のシリーズの第3回目にあたる。これらの連続シンポジウム及び学術フォーラムにより、人間にとってケアをする/されることの意味やケアの双方向性・重層性など多方面からの考察を行い、ケアサイエンスという新しい学問的見地から、直面している問題の核心を探る。そして、関連する学問分野や実践活動の担い手、制度の担い手など多様な関連主体がより効果的に連携・協働できる提案や見解を見出すことを目的とする。
シリーズの第3回目となる本フォーラムでは、「ケアをめぐる格差と持続可能性」を主題とし、ケアの担い手と受け手の間に存在する様々な不均衡に焦点を当てる。第一部では、エスニシティ、ジェンダー、ヤングケアラーといった観点から、誰がケアを担わされているのかという役割配分の格差を考察する。第二部では、地域的条件や障害特性によって生じるケアへのアクセス格差が、当事者や家族の生活に及ぼす影響について検討する。第三部では、ケアを受けながら働くことの困難や、支援者自身の支援の必要性といった、ケアの持続可能性に関わる課題を取り上げる。総合討論では、参加者との質疑応答も積極的に行う。
本フォーラムを通じて、誰もが「ケアすること・ケアされること」を肯定的に引き受けながら生きられる社会=ケア共同社会の実現に向け、制度、実践、価値観の再構築を目指すものである。
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