2013.05.07 Tue
アマゾンのサーバでエラーが起こっているかもしれません。一度ページを再読み込みしてみてください.わたしは丁度、ビューティ・ペアとクラッシュ・ギャルズの端境期?にテレビっ子時代を過ごしたので、じつは女子プロレスを見るようになったのは、30代になってからである。
テメェー、とか、ふざけんじゃねぇ!とか叫びながら、相手に攻撃をしながら、相手の得意技を、「わざと」受ける彼女たちのリングでの活躍ぶりに、子どものころ、地方巡業で来ていた女子プロレスのポスター(でも、見に行ける機会はなかった、むしろ、どこかで馬鹿にしていたように思う)とのイメージとの違いに、脳天をドロップキックされた思いがした。
とりわけ、年齢を重ね、ベテランとなった女子プロレスラーたちに、女のロマンス、女の強さ、女たちの絆、そして、健気さをみてしまった。
本書は、ジェンダーの視点から女子プロレスを読み解こうとした初の女子プロレス本だといえよう。身体フェミニズムという新しい概念を提唱しながら、いかに、女子プロレスラーたちの経験や身体性が、か弱さや、受動性を女性たちに強制する日本社会におけるジェンダー規範に対抗しうるか、そして、女子プロレスラーたちの身体が日本社会から挑戦を受けているか、といった分析がなされている。
筆者の試合観察記録や、25人もの女子プロレスラーたちとのインタビューを通じた分析は貴重だ。本書を通じて、女子プロレスの魅力の在り処を発見する読者も多いだろう。わたしもまた、本書読書後に、かつての全日本女子プロレスのオーディションの様子を思わず、youtubeで見てしまった。
これまでの女子プロレス本とは違い、彼女たちが日本社会に示している、新しい女性の身体の可能性を導き出そうとしている点で、本書がもたらすフェミニズムへの示唆は大きい。
なにはともあれ、女子プロレスファンの方、是非ともお読みください!
個人的には、「ジャージが正装」という、女子プロレスラーの言葉を引き出したインタビューが好き(189頁)。わたしも常に、9号サイズのスーツとかきるとき(いや、11号なんですが・・・)、なんでこんなに腕や腰がちっちゃいんじゃい!と怒っているからでした(とにかく、どの号でも、既製服は身体に合わない)。
ジャージが正装、いいじゃないか!(moomin)
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