2026年8月2日、待ちに待った内藤和美先生の第1回の講座がいよいよ始まった。入門塾のときに、何人かから「ぜひ受けたほうがいいよ」と進められていた講座である。入門塾でざっと一周して、いろいろな方向からのジェンダーについて学んだけど、知識は点在しているばかりで、わかったような、わかってないような・・・。ということで、内藤先生の「ジェンダーとは」から始まる授業はありがたく、楽しみにしていた。何事も基礎ができていないと応用ができないが、まさに基礎から丁寧に教えてくださる講座だ!と、内藤先生の穏やかな声を聴きながら思いました。
さて、まずはジェンダーとはというところから教えていただいたが、「2分割秩序」という私には新しい言葉から入っていった。ジェンダーとは社会的資源を不平等に分割する制度であり、非対等な分割の問題なのだと教わる。M字カーブは解消されつつあるが、中身は非正規での補填が進んだだけだということ。15歳での男女の学力はほぼ変わりがないのに、大学での専攻では男女でかなり異なること(看護は女子学生、工学は建築では女性が3割という数字が底上げしているが、圧倒的に男子学生が多い)、ジェンダー指数は始めは67位だったのが(合っていますか?)、徐々に下がり、100位を切ったときは大騒ぎだったが、今や120位あたりが定位置となり、G7のお荷物と呼ばれていること。内藤先生が途中、日本人は「やることがおとなしすぎて、結果がでない!」と仰っていたのが、印象的だった。さらに、ひとり親世代の話となり、父子世帯は9割正社員。母子世帯は半分が非正規。そのため母子世帯は収入が半分以下だという。1975年の国際女性年から50年も経つのに、ジェンダー構造はぴくりともしない手恐さだ、と内藤先生の言葉に力が入る。
このような現状の説明の後、日本のジェンダー状況が一次生産物(社会資源の男性偏在)=マクロと、二次生産物(女性問題)=ミクロという構造的問題という説明へ。この製造装置を読み解くことが大切。そして、社会に起きる問題は、個人に起きる問題。「これが理解できたときに、ジェンダー問題が本物になる。それがジェンダー理解の肝である!」と言われて、あ、私、入門塾で勉強したお陰で、もしかしたらここはちょっとわかるかも、と嬉しくなる。
では、どうやって壊していくか?
ここからより具体的に構造の解明についての説明が始まる。まずは、私達が知っている性別分業が生じたのは、高度経済成長期(1955-1973)が原点だったという。国民は戸主と家族から成ると謳う旧民法からすれば、戦後女性が法的権利を手にしていたものの、高度経済成長期に性別分業がリバイバル。仕事男と家事女に分けることが産業界に都合よく、合理的だった。企業は中途半端な人よりも私生活ゼロの男性を雇いたい。そのバックヤードを担うのが女性であり、その女性の育成の一つとなったのが、高等学校の家庭科が女子のみ必修化(1970-1994)であったと講義は展開される。戦前には家庭科はなかったそうで、家庭科は「新憲法の星」と言われたのだそうだ。それまで家制度の中に閉じ込められていた女性は、日本国憲法のもと、民主的な家庭の建設を行う存在として認定され、高度成長期とともに、そうした女性を育てる家庭科が高等学校では女子のみ導入された。
私は都立の共学に通っていた。チャットに入った、「お昼に男子に家庭科で作ったお菓子をあげていた」というようなコメントを読み、はるか彼方に忘れていた高校生の私を、急に思い出してしまった。なぜか家庭科は3,4時間目で、そうだ、そうだ、クッキーを焼いたときには、友達の協力を経て、当時好きだったクラスメートに渡したことがあったではないか。大人になった私は、誰かのためにクッキーを焼くような女にはならなかったのだけど(お菓子作りは量らないといけないから、苦手)、あの時、私は好きな人のためにクッキーを焼く女というものに、無意識のうちになっていた。家庭科で家事を習い、松田聖子の歌を友達と口ずさみ、同じ時間、柔道とかやらされていた男子に、「大変だったねー」なんて言いながら、いそいそと寄り添う女をやってしまっていた。何十年も経って、ああ、家庭科って本当に罪だったと、そして、まんまと騙されていたおめでたい高校生の自分に、今になって気づく。しかし、そういうことが恐らく似合っていなかった私は、そんなことをしても男子が振り向いてくれるという効果がまったくなかったのが、幸いであった。私はどこかでいそいそすることが私らしくないと気づき、幻想から覚めた。
と、少々話が逸れましたが、第1回、楽しく講義を聞かせていただきました。引き続き、丁寧に先生の講義に向き合い、自分の中のいろいろな気づきを発見していけたらと思っています。どこで覚めていったのかも解き明かそう。次回も楽しみにしています。
2026.08.06 Thu
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