
“女性の仕事”はどうつくられる? 世界の事例から、わたしたちのワークとライフを捉え直す
国立民族学博物館友の会機関誌『季刊民族学』では、197号・特集「女性と仕事の人類学:わたしたちが働いて生きていくこと」を刊行いたしましたのでご案内いたします。
本特集では、文化人類学の視点から世界の多様な事例を通して、無償のケア労働も含めて「仕事」とは何かを問い直し、背後の社会構造に光を当てます。そこから、わたしたちが抱える生きづらさを解きほぐすヒントを見つけませんか?
【特集趣旨】
男女雇用機会均等法が1986年に施行されてから、今年で40年を迎える。この間、日本では女性の働き方や生き方の選択肢が広がり、フェミニズムやジェンダーは身近なテーマとなった。しかし一方で、仕事の場における「女性だから」「男性だから」といった規範や不平等は、いまも根強い。
そもそも、働くことは収入を得る手段にとどまらず、人がどのように生きるかと深く結びついている。家事や育児といったケア労働も生命の維持に不可欠な営みでありながら、十分に「仕事」として認識されてきたとは言いがたい。こうした状況は、何を「仕事」とみなすのかが社会的に形づくられてきたことを示している。
では、世界の女性たちはどのように働き、どのような人生を生きているのだろうか。本特集では、女性と仕事をめぐる各地のさまざまな事例を紹介し、社会ごとの事情とあわせて共通課題にも目を向ける。現代日本を悩みながら生きるわたしたちが、「仕事」の捉え方や「働いて生きる」ことの意味を問い直し、多様なあり方を見つける糸口としたい。
【掲載記事】
特集「女性と仕事の人類学──わたしたちが働いて生きていくこと」
• 巻頭対談「生きづらさを解きほぐすヒント──ジェンダー人類学の視点で『女性と仕事』を問い直す」宇田川妙子(国立民族学博物館名誉教授・前副館長)、中谷文美(関西学院大学教授・岡山大学名誉教授)、松尾瑞穂(国立民族学博物館教授)
• ビジュアルコラム〈女性の仕事場 1〉八木百合子(国立民族学博物館准教授)、上羽陽子(国立民族学博物館教授)
• 「女性ストライキはいかにして社会を変えたか──アイスランド『女性の休日』から政治制度改革への道程」塩田潤(琉球大学准教授)
• 「女性の出稼ぎからみる『仕事』と『ライフ』──ブルガリア村落部の越境する労働者たち」松前もゆる(早稲田大学教授)
• ビジュアルコラム〈女性の仕事場 2〉門馬一平(国立民族学博物館特任助教)、黒田賢治(国立民族学博物館准教授)
• 「結婚するか、子どもをもつか、そして誰がケアをするのか──父系社会・東アフリカの女性のライフコース」椎野若菜(東京外国語大学教授)
• 「インドの家事労働を担う女性たち──ジェンダーと階層の交差する地平で」松尾瑞穂(国立民族学博物館教授)
• 「女性説教師という生き方──エジプトで女性として、ムスリムとして働く」嶺崎寛子(成蹊大学教授)
• 064 ビジュアルコラム〈女性の仕事場 3〉中川理(国立民族学博物館准教授)、松井梓(国立民族学博物館特任助教)
• 「近代筑豊炭鉱にみる『夫婦共稼ぎ』から『男は仕事、女は家庭』へ」野依智子(福岡女子大学名誉教授)
• 「新自由主義的母性を撹乱する──現代日本の多元化する『ワーママ』の姿」北村文(津田塾大学准教授)
記事
特別対談「民藝とAI時代の手仕事──濱田庄司ゆかりの益子で考える」吉田憲司(国立民族学博物館名誉教授・前館長)、濱田琢司(関西学院大学教授・同大学博物館館長)
連載
野僧記──映像人類学者のオートエスノグラフィー 第6回
「紅い骨、響き合う皮膚」川瀬慈(国立民族学博物館教授)
【ご購入方法】
『季刊民族学』は、「国立民族学博物館友の会」会員頒布ほか、国立民族学博物館ミュージアム・ショップ(実店舗・オンラインともに)および全国の書店でも求めいただけます。店頭品切れ時はご注文ください。
▼国立民族学博物館ミュージアム・ショップ(オンライン)でのご購入
https://www.senri-f.or.jp/shop/products/list?category_id=1
▼『季刊民族学』について
https://www.senri-f.or.jp/category/journal/
▼ためし読み
https://hanmoto.tameshiyo.me/9784911820001
◆書誌データ
書名 :『季刊民族学』197号
著者 :宇田川妙子、中谷文美、松尾瑞穂 ほか
頁数 :104頁
刊行日:2026/07/31
出版社:公益財団法人 千里文化財団
定価 :2,750円(税込)
ISBN978-4-911820-00-1









