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『田中寿美子の足跡―20世紀を駆け抜けたフェミニスト 』井上輝子

2015.04.25 Sat

sumiko

田中寿美子は、1965年~1983年に参議院議員として活躍し、社会党初の女性副委員長を務めた政治家です。また、日本婦人会議議長、婦人問題懇話会代表として、女性市民運動や女性問題研究をリードしたフェミニストでもありました。戦後、特に1950年代から1980年代までの日本の女性政策決定過程やフェミニズム運動を語るうえで、田中寿美子は欠かせない人物ですが、これまで、田中の人生や活動に関する研究は少なく、資料収集もほとんどなされてきませんでした。
私たちは、2012年に「田中寿美子さんの足跡をたどる会」を立ち上げ、田中の近親者や秘書、活動の協力者たちのヒアリングを行う一方で、田中の著作物、国会議事録、手書きのメモ等の資料を収集し、このたび、田中寿美子の たどった歩みを1冊の本にまとめました。

 当時は社会党の黄金時代で、閣僚や官僚も、現在よりは、野党の主張に「聞く耳」を持っていたので、国会は、少なくとも議論の場として機能していました。公害点検運動、沖縄問題、男女雇用平等法案など、政治家田中寿美子の主張は、今でも耳を傾けるべき内容を含んでいます。
田中寿美子は、おしゃれで魅力的な女性で、面倒見もよく、第1波フェミニズムと第2波フェミニズムの橋渡しをした思想家・研究者でもありました。本書は、こうした田中寿美子の全体像を描き出すことを心掛けたので、田中を知らない読者にも、興味を持って読んでいただけるものと確信します。 (著者 井上輝子)

 なお、本書にご関心のある方は、田中寿美子さんの足跡をたどる会(Tel & Fax 047-451-9825)にお問い合わせください。

カテゴリー:著者・編集者からの紹介

タグ:女性運動 / / フェミニスト / 伝記 / 女性議員 / 女性の政治参加