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映画評:『宇宙(そら)へ。』   濱野千尋

2010.02.22 Mon

あらすじ
J・F・ケネディ時代の月面着陸計画「アポロ計画」の話題を中心に、宇宙空間への人類の進出の軌跡をNASA秘蔵の記録映像をもとに編集。『ディープ・ブルー』や『アース』で自然を捉えたスタッフが制作する宇宙ドキュメンタリー。 NASAは設立以来、主要プロジェクトをすべて映像で残しているそうだ。その秘蔵フィルムを元にした宇宙ドキュメンタリーとあって、肉眼では見られない映像を期待する。だが、瞠目させられる宇宙美は意外と少なく、人類初の月面着陸を目指した「アポロ計画」遂行の道のりに重点が置かれている。選ばれし男たちが宇宙船に乗り込み、ついに月面着陸に成功した――という、どっちかというと男臭くて地球臭いお話。

 月に向かう宇宙飛行士らの勇ましさを前にして、ダイエットすら成功しない自分の自堕落が恥ずかしい。大気圏を突破した宇宙船が捉える神々しい地球の映像が流れると一転、なんてちっぽけな私!と自我から解放されたりする。

 宇宙の壮大さとはおよそ無縁なちまちました生活を送っている身としては、異世界へ脳内トリップできるような映像がもっと見たかった。でもそういう欲求は、作り事が得意なSF映画で満足させたほうが良いのかも。

映画のオフィシャル・サイトはこちら

タグ:映画 / 濱野千尋

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