2010.10.04 Mon
特集「ケア・労働・正義」—公正なケアとケア労働のあり方を求めて
この秋、ケアとケア労働の公正なありかたや正義について鋭く論じる本が続いて出版され、以下の著者・訳者による講演会やシンポジムが各地で開催されます。WANでは、ケアの必要な人が十分にケアされ、ケアする人が公正に遇され支えを得られる、そんな社会をめざして、これらをフォローしていきます。
アマゾンのサーバでエラーが起こっているかもしれません。一度ページを再読み込みしてみてください.エヴァ・キテイさん
ニューヨーク州立大学教授。政治思想・法哲学・フェミニズム理論をつなぐ哲学者。 新刊邦訳『愛の労働あるいは依存とケアの正義論』では、子育て、高齢者・障碍者・病人の介護などのケア労働を主に女性たちが担ってきたために、女性が社会的に不利な立場におかれがちだったこと、しかもそのことがこれまで平等や自由の構想から排除されてきたことを鋭く問い、ケアを受けること/与えることを社会の核として捉える新たな平等と正義の地平を切りひらく。
アマゾンのサーバでエラーが起こっているかもしれません。一度ページを再読み込みしてみてください.上野千鶴子さん
いまさら紹介の必要もないくらい、幅広い活躍のフェミニズムの第一人者。近年はとくにケアの問題に実践的かつ理論的に取り組む。 『ケアの社会学:当事者主権の立場から』(太田出版)が近く刊行予定。
アマゾンのサーバでエラーが起こっているかもしれません。一度ページを再読み込みしてみてください.川本隆史ほか訳 ジョン・ロールズ 『正義論』(紀伊國屋書店11月18日刊行予定)
功利主義の「最大多数の最大幸福」に取って代わる、《公正としての正義》構想を展開したロールズの大著。社会を「全構成員のよりましな暮らし向きをめざす、協働の冒険的企て」として再定義した上で、①自由の平等分配と②最も不遇な人びとの暮らしを最大限改善する再分配とを要請する「正義の二原理」を導出する。次いでこの原理を法、経済、政治の諸制度へと適用し、社会の正義と幸福な人生とを同時に達成する道筋がたどられる。今回の新訳で、格段に読みやすくなりました!訳注も充実。
イベント日程 *それぞれ詳細をこれからWANサイトにて順次紹介していきます。
10月10日(日)午前10時~午後1時
日本在宅ホスピス協会全国大会in岐阜 市民公開シンポジウム 「在宅ホスピスで朗らかに生きよう おひとりさまでも安心!?」 岐阜グランドホテル ロイヤルシアター
上野千鶴子さん(東京大学教授)、濱口道成さん(名古屋大学総長)、柳田邦男さん(作家)によるシンポジウム。参加希望の方は以下から申し込みを。http://www005.upp.so-net.ne.jp/zaitaku-hospice/files/101022KoukaiSymposium.jpg
10月22日(金)14:00~ 上野千鶴子さん講演「ケアされるということ-当事者主権の立場から」
同志社大学キリスト教文化センターオープンプログラム 場所:同志社大学今出川校地
事前申し込み必要:申し込み方法はこちらから http://www.christian-center.jp/openprogram/
11月10日(水)18:30 エヴァ・キテイさん講演会「ケアの倫理からグローバルな正義へ」
同志社大学今出川キャンパス
11月12日(金)16:00~18:30 (時間が変更になっていますのでご注意) 「エヴァ・キテイ『愛の労働』をめぐって」ラウンドテーブル
東京大学教育学部第一会議室、東大赤門そば 詳しくは http://www.p.u-tokyo.ac.jp/cbfe/0300/2010/1112_roundtable.html
11月13日(土)18時~ エヴァ・キテイさん講演会「ケアの倫理からグローバルな正義へ」
お茶の水女子大学 大学院棟会議室
11月22日7時~ 『正義論』新訳刊行記念「社会と心の《正義》を求めて」公開鼎談
訳者川本隆史さん・文芸批評家の竹田青嗣さん・精神科医の香山リカさんが社会とこころの《正義》にめぐって語り合います
新宿南口紀伊國屋サザンシアター 前売り1000円、事前申し込み制