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精神的DV被害、裁判で退けられました 河南 柚
2010.11.22 Mon
はじめて投稿します。
私は、精神的DV(モラルハラスメント)の被害者です。
この2年半、離婚裁判をしてきました。先日、控訴して続いていた、高裁判決がでましたが、敗訴しました。
高裁は、モラルハラスメントの事実を認めながらも、「現時点においては、そのような精神的な傷つきを民法709条にいう「権利又は法律上保護される利益」(人格権)の侵害ということはできないものである。」とし、不法行為とは認めませんでした。
PTSDの症状が出ているなか、精神科医の投薬治療とカウンセリングを受けながら血を吐くようは思いで、裁判に提出する書面をA4で80枚以上も書いて被害を訴えてきました。友人たち7人が、陳述書を書いて提出してくれ、医師3人の診断書および意見書、2年近くにわたりカウンセリングをしてくれた臨床心理士の意見書も裁判に提出しましたが、却下されました。裁判所は、夫と夫側についた娘の陳述書を採用して事実認定をしたのです。
ことの異常さに驚き、精神的DVを深く理解してくれた弁護士とは、130時間以上もの対話をしてきました。最初の頃は、私のダメージが大きくて、被害を言葉にすることが難しく、泣いてばかりいたので、弁護士も私の置かれている窮地を理解するのに、時間がかかったとおっしゃっていました。弁護士が裁判に提出してくれた準備書面もA4で90枚にものぼります。モラルハラスメントということばが法律用語にないので、一審では、「精神的DV」「精神的虐待」ということばで、被害とダメージを説明して主張しました。しかし、まるで、私の被害妄想だといわんばかりの一審判決のあとは、弁護士が戦略を変えると判断しました。相手のやり方が、まさにモラルハラスメントといわれる、巧妙で陰湿な暴力そのものだったので、控訴審では、日本で出版されているモラルハラスメントのあらゆる文献や新聞記事もコピーを資料として提出し、モラルハラスメントという精神的な暴力が存在して、この事例は、まさにそうなのだと主張、立証を試みてくれました。そして、私の主治医の精神科医と友人が裁判で証言してくれることを了承してくれ、その証人尋問も要求したのですが、それさえも却下されたのです。高等裁判所は、身体的暴力がない私のケースを予定調和のように切り捨てたのです。
無茶苦茶な理由をつけて起こされた離婚裁判でも起こされれば、こちらは弁護士を立てなければなりません。遠隔地の裁判が10回以上も続き日当や交通費の実費もかさみ、一審の裁判費用だけで80万、控訴したためにさらに40万がかかっていて、この裁判費用もすべて私もちです。私は、主婦でしたし、今も体調がよくなく、やっとやっているパートで、月収は4万ほどです。実家の援助がなければ、裁判もできませんでした。こんな理不尽が日本の司法の現場であるのをどうか、知ってください。
私は、十数年の間、自分がDVの被害者だと気づきませんでした。3年前のある日、偶然手にした本でモラルハラスメントという言葉に出会い、ネットで、調べていくうちに、まるで自分の状況がパズルがパシパシとはまるように説明されていることに驚き、自分の苦しみと絶望に、名前が与えられていて、それがDVなのだと気づいたのでした。
私が出会ったサイト 二つです。
http://www5a.biglobe.ne.jp/~with3/gyakutai/morahara/morahara.htm
http://www.geocities.jp/moraharadoumei/
気づいたあと、私は、うかつにも夫にむかい「おかしいのは、あなただ。あなたのやっていることはDVだ」
と言ってしまい、相手と相手の親族の豹変で、本当に怖い思いをしました。県の女性センターの電話相談では、身体的暴力がないのなら、と相手にされず、友人の紹介でたどりついた民間のDV相談室に助けられ、友人たちの支えがあり、ぎりぎりのところで、実家に逃げることができました。
長い間の精神的暴力で、病気ばかりして自尊心もぼろ雑巾のようになり、裁判という場でさらにハラスメントを受け、判決でまたさらにダメージを受けて、いまは、生きる気力さえ失いそうです。そんなときに、このWANへの投稿をすすめてもらいました。でも、私は、死なないことで、自分の最後の尊厳を守ったのだと思いたいです。
タグ:DV・性暴力・ハラスメント / 河南柚 / モラルハラスメント / PTSD