エッセイ

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婦人科について  一個人

2012.05.16 Wed

 婦人科を受診して嫌な思いをされたことがありませんか? 私は現在、40代半ば、独身、離婚歴あり、出産経験なしの女性ですが、30歳くらいから不定期的に婦人科を受診することが出てきたのと同時に、行くたびに嫌な医者に会うので、すっかり婦人科に行くのが嫌になってしまいました(好きな人がそんなにいるとは思いませんが)。

 初めて行ったところは、狛江にある某大学病院の外来です。当時は結婚していましたが、あまり「したい」と思ってした結婚ではなく(後に離婚しますが)、家族を増やすことにも消極的な気分でした。軽い膣炎を起こして行ったのですが、そこの初老(だったと思う)の男性医師は、「産まないの? できないの?」と吐き捨てるように言い、まだ若かった私は「産婦人科ってこんなところなの?」と、非常にショックを受けました。しかも周囲を見渡すと、患者がいっぱい待っている…。こんなところでも人々は有難いと思ってくるのかしら、嫌だと思うのは自分だけかしらと、何だか自分だけとっても疎外された気分になりました。

 次は新宿のレディースクリニックと称している個人のクリニックです。がん検診で訪れたのですが、そこの初老の男性医師(また!)は、「女性の仕事は子どもを産むことだけです」と言い切りました。ビックリでした。女性を「子どもを産む道具」としてしか見てない発言と思いました。しかもそこは不妊治療も行っているらしく、待合室には子どもを望むであろう女性や男女のカップルが少なからずいました。ということは、そんな医者を信頼している患者が少なからずいるわけです! ということに驚くと同時に、すっかりそんな人間たち、世の中が嫌になってきました。

 次に嫌な思いをしたのは、地元のクリニックです。まあまあ評判もよろしかろうというところに行ったつもりだったのですが、医者は、私が検査台にのっている最中に、「やりにくいなあ、子どもを産んでればよかったのに」と言ったのでした。さすがに検査台にのっているときに反論はしにくく、そのまま受診は終わってしまったのですが、やっぱり腑に落ちない。

 まあそれほど嫌でない医者に診てもらったこともありますが、やっぱり過去のもやもやは解消できない。しかしネットを見ても、どこそこのレストランやホテルの味やサービスについての批評は山ほどあるのですが、婦人科についてはあまり見当たらない。DVや職場のセクハラなどについての言及はあるのですが、婦人科医師のドクハラもしくはパワハラについてはあまり見かけない。ということは、世の中はそういう経験をしている女性はいないのだろうか、あるいは私ほど嫌だと感じていない感受性の違いだろうか、あるいは自分は良妻賢母をやっているから関係がない、と思っているのだろうか、何だか迷宮に入ってしまった気分です。どうでしょう、みなさんにとっての婦人科ってどんなところなのでしょう?

カテゴリー:投稿エッセイ

タグ:婦人科 / 婦人科疾患